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2013年 01月 08日

XX KLUV3

ゲイ春!ゲイが春売ってるみたいになるね、カタカナにすると!

ご無沙汰しておりました!「終わっちゃったの?」とか「早く再開して!」の声がまったくなかったチョメクラ3が気まぐれかつオレンジロードに復活!

新年一発目はこの娘しかいない!

ではご覧ください!

XX KLUV(チョメチョメクラブ)3とはyoungasのゾンビ映画はスカッとするとか怖いとかそんなんじゃなくて早く本当にこうならねーかなぁと完全に現実逃避で見てるほうshinodaが憧れのあの娘と全力で妄想恋愛をしてみるキモカワユスなコーナーです。

第17回〈橋本愛〉

いい天気だ。いや、むしろ天気だけがいい。

青空がどこまでも広がっている。雲がゆっくりと流されていく。

高校の屋上。今日も授業をサボってここに寝転がっている。

でもどうだ。俺なんかいなくても授業はどんどん進んでいくし、誰一人探してくれる人もいない。家に帰れば親父が死んでから母親はアル中で絡んでくるばっかりだし、兄貴は引きこもって夜毎ブツブツとつぶやきながら壁をガンガン叩いてくるし、家の中は荒れ放題だ。誰も俺なんか必要としてない。だからこうやって高校側からやめてくれと言われるまで俺はこうして一人の時間を生きていく。いつか高校をやめたら、俺はどっかどうでもいい所に働きに出るのだ。そして慎ましく何にも期待せずに、誰にも知られずに生きて行くのだ。クズみたいな人生だ。でも神様は俺を殺さない。どこまでも不公平だ、神様ってヤツは。

ガチャ。

屋上の扉が開く音。

さすがに飛び起きて端っこに隠れる。

誰だ?

あの娘。あ。橋本さんだ。

クラスが一年の時一緒だったな。俺と同じで橋本さんもいつも一人だった。いつも窓際で本を読んでた。美人過ぎて、絵になり過ぎた橋本さんは一部の女子に妬まれて、いじめられているらしいと噂で聞いたことがあった。

一度右手を包帯でぐるぐる巻きにして登校してきたことがあった。先生に聞かれて「帰り道に転んでしまいました」と答えたら、「気をつけなさいね」と先生は笑ったけど、俺はその後すぐに目を伏せた橋本さんの表情を見て絶対誰かにやられたんだと悟ったんだ。

でもそれも聞けないまま、クラス替えで橋本さんとは会わなくなってしまった。たまに橋本さんが気になって彼女のクラスの前をわざと通り過ぎたりした時、彼女は一年の時と同じで窓際で本を読んでた。

その橋本さんが屋上に何の用だろう?

授業の時間真っ最中だから抜け出してきたのかな?

屋上の金網の前に腰を下ろしてしばらく遠くを眺めていたけど、橋本さんはその後カバンから本を取り出して読み出した。

読書しにきたのか。

こんなチャンスはもうないかもしれない。どうせやめるけど、この高校にいたっていう唯一の思い出にしようと思って、俺は橋本さんに話しかけてみることにした。

「橋本さん」
「え!あ、はい」

急に話しかけたから橋本さんはすごく戸惑ってるみたいだった。

「あ、俺、覚えてますか?」
「あ、うん。同じクラスだったよね?一年の時」
「あーよかった」
「何で?」
「覚えてないんじゃないかなと思ってたから」
「そんなことないよ。ふふ」
橋本さんが笑った。初めて見た笑顔だった。
「いつも本読んでるよね?」
「あ、うん」
「ドストエフスキーとか芥川とか?」
「え?」
「いや、橋本さんいかにも文学少女だから、そういうの読んでそうだなって」
「ごめん。ドスト何?芥川って自殺した人だっけ?」
「知らないの?ていうか、じゃあ、何読んでるの?宮部みゆきとか東野圭吾とか?」
「あーごめんわかんない!今読んでるのはこれ!」

ブックカバーを外して出てきたのはとりいかずよしの「トイレット博士」だった。

「漫画!漫画だったの!?」
「漫画だよ!漫画しか読まないよ、私。ふふふ」

驚きだ。その後、橋本さんは好きな漫画の話をマシンガンのように話してくれた。一番好きなのは「天才バカボン」で一年の時窓際で読んでいたのは「がきデカ」と「つるピカハゲ丸」だったらしい。

「橋本さんてこんなに面白くってこんなにしゃべる人だったんだね」
「まぁね。クラスではちょっとすましてるけどね。ふふ」
「あ、でもいじめられてたでしょ?」
勢いでそう聞いたら橋本さんが黙った。やべー、余計なことを、と思った次の瞬間、橋本さんが笑い出した。

「あははは。いじめ?私が?ふふ。何で?そう見えた?」
「友達いなかったし、そうかなぁって」
「まさか!私高校の娘たち何か合わないんだ。だから作らないって決めたの。地元に帰れば友達いるから」
「あ、でも、包帯!そう!包帯!巻いて来てたよね?」
「ヤダ!よく覚えてるね〜。あれ本当はスケボーやってたんだあの時。スパイクジョーンズカッコいいとか思っちゃって!でもすぐやめたけどね。続かないんだ、私。ダメだよね〜」

想像と違った。想像してたのはこんな橋本さんじゃなかった。何だか少しガッカリもあって、その後少し話して俺たちは別れた。

俺は高校をやめないで結局卒業し、アル中の母親と引きこもりの兄貴の面倒を見ながら、工事現場で働いていた。ある日、行った現場の近くの弁当屋さんで橋本さんと再会した。

「あ!久しぶりじゃん!」
「橋本さん、バイト?」
「うん、まぁね。一応女子大生だけどね。あ、今日何時に終わるの?」
「え?一応、五時の予定だけど」
「え!私も五時までなんだ!飲みに行こうよ!」
「え?いや、あの…」
「あ、じゃあ、終わったらここ来て!」
「え、でも、あの…」
「いらっしゃいませー!しょうが焼弁当ですね!」

断る理由もないかと思って、急いで現場を終わらせて、橋本さんと駅前の小さな焼き鳥屋に入った。

「カンパーイ!」
「あ、どうも」
「暗いなぁ!どしたの?悩んでるな!青年!私で良ければ話してよ!」
「実は…いや、いいよ!暗くなるし」
「気にしなくていいから!私が受け止めるから!」
「いや、無理だよ。絶対」
「何で?」
「橋本さんにはキツいと思うから、こんな話」
「決めつけないでよ!わかった!私の話からしよう!」
「え?」
「私が話したら話してよね」
「うん、わかった」
「私さ。いじめられてたんだ、本当は!」
「え?でもあの時…」
「あの時は暗くなるかなと思って強がったの。今は時効だからね!はは」
「ははって…」
「かなりヘビーだったんだ。だからギャグ漫画に救ってもらったの」
「トイレット博士…」
「そう!あと、バカボンとかね。あの包帯も酷いことされてさ、今も消えないんだ、痣が」
「…」
「おまけに好きだった先生にフラれるし、唯一クラスで優しくしてくれた男子にはレイプされそうになるしさ。ほーんと最悪だったの。だからギャグ漫画読んであの日死のうと思ってたんだ本当は」
「え!」
「でも君が来てくれた。だからやめたの。命の恩人なんだよ、君は。ふふ」
「…」
「友達も地元にもいなかったの。私転校ばっかりしてたから。両親は小さい時に離婚してるし、母親に引き取られたんだけどね。その母親も一昨年事故で亡くなっちゃってさ。何で私ばっかりこんな目に合うんだろうって思ってたらさ、ん、ごめん!」
そこまで言ったら橋本さんの目から涙が溢れた。俺も聞きながらもらい泣きしてた。
「ごめんね、なんか。で、君は!?何があったの?」

言えるはずなかった。

その日は結局朝まで飲んで朝方カラオケまでして翌朝の仕事に遅刻した。

橋本さんとはそれからちょくちょく会うようになった。

俺は橋本さんが好きだ。

だけど今日も言えそうにないな。そう思って飲んだ居酒屋。

「ていうかさ、告白してよ!」
「え?」
「もうそれまで私に言わせんの?」
「あ、いや、あの…」
次の瞬間、橋本さんが俺にキスして、周りからなぜか拍手が起こった。

※この小説に関するお問い合わせ、質問、意見などは一切受け付けておりません。
また、女性ってこういうもんが溢れ過ぎててちょっと引いたとかいうリアルな苦情などはお断りします。



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by youngas | 2013-01-08 23:48 | XX KLUV3
2012年 08月 13日

XX KLUV3

第16回〈BiS 其の三〉

そうして彼女達はアイドルになった。

BiSという名前で活動している。

その後の活躍はご存知の通りだ。

信じられないかもしれないが、これはノンフィクションだ。

そして、それから二年後ー。



「BiSのチケット取れた⁇」
「東京ドーム⁈取れるわけね~じゃん‼一分で即完だってよ」
「だよな~」

日比谷線の車内の男子高校生の会話。
俺はニヤつきながら、その横をすり抜けてホームに降り立つ。

ホームにはBiSの看板。
ニューアルバムの広告。


今や、アイドルと言えばBiSだと言われるまでになった。

階段を駆け上がると寺島さんが手を振っている。

「お疲れ様~」
「お疲れ様~じゃないよ‼車ん中にいなきゃダメでしょ?君はトップアイドルなんだから‼」
「トップアイドルと言えども大事なマネージャーの出迎えぐらいはいたしますよ!」

会社を辞めた俺はいつのまにかマネージャーになっていた。


車に乗り込む。

みんないる。
プーは寝てる。
「お兄ちゃんおはよう‼」
ユリカは満面の笑顔だ。

のぞしゃんは化粧をしている。
ミッチェルはガムを噛みながら携帯ゲームに夢中だ。

青山のスタジオ。

今日はドーム公演のリハーサルだ。

淳之介こと渡辺さんがいる。

「お疲れ~。時間ないからすぐ打ち合わせしちゃおっか」
「わかりました~」

5人を座らせる。

打ち合わせが終わり、昼飯のあと、軽いダンスレッスン。

それが終わったらプーとミッチェルはラジオ、他の三人は雑誌の取材が入っている。

「お疲れ様です。じゃあ、プーちゃん、ミッチェル行こっか」

同期のマネージャーさゆりちゃんだ。

さゆりちゃんは元アイドル志望で、今はBiSに自分の思いを重ねているらしい。

「あ、あとでメールしますから」
「わかった」

寺島さんには言えないが、さゆりちゃんと俺はちょっと前から付き合い始めていた。

しかしそこは分刻みのトップアイドルのマネージャー同士。ろくにデートも出来ないのだが、それでもさゆりちゃんは隙を見て会いに来てくれたり、時間が空けば家にやってきてくれた。

でも何か俺もこれが恋心なのか判断出来なくて、キスもエッチもしない日々が続いた。

その日の夜もリハ終わりで、数時間あるからって、六本木で待ち合わせをした。

「うふふ」
「うふふって…何かさゆりちゃん感じ違わない?」
「わかる?」
「お化粧だ‼」
「そう‼わかる?」
「かわいいね」
「え?」
「いや、だから、かわいい…ね」
「もう‼大人メークなんだけど‼」
「かわいいって…褒め言葉だよ?」
「疲れた‼」
「え?」
「もう、疲れたわ」
「それじゃ送ってくよ」
「知らない‼」

その後、さゆりちゃんはずっと不機嫌でさっさと帰ってしまった。

その一週間後。

夜中までテレビのロケが終わり、BiSのメンバーを送り届けると、さゆりちゃんからメールが来た。

「お家行く。ちょっと話あるから」

家でぐったりしていると、呼び鈴が鳴った。

「どうぞ」
さゆりちゃんが無言で入ってくる。

「どしたの?」
「誕生日だったじゃない?先週」
「あ。さゆりちゃんのね。指輪あげたじゃない‼」
「違うの。その後さ、家帰ったら渡辺さんが家の前まで来てて」
「え?」
「おめでとうって薔薇の花束。それに手紙も」
「え?手紙?」
「好きだって」
「あ、そうなんだ」
「あ、そうなんだって!キミはそれでいいの?」
「渡辺さんの気持ちだから、それは。俺がとやかく言うことじゃないし」
「何なの‼上司に彼女が告られてるんだよ?ヤバイとか思わないの?」
「ヤバイ?何が?」
「感想は?それだけ?」
「んー。よかったね」
「よ、よかったねって!それでいいわけ?私、渡辺さんに取られちゃうかもしれないんだよ?」
「さゆりちゃんの気持ちが渡辺さんにあるんなら仕方ないと思う」
「あーもう!私のこと本当に好きなの?」
「うん。好きだよ」
「知らない‼もう‼」

結局二人は自然消滅。

俺はBiSの担当を外れることになった。

マネージャーとして最後の夜。

打ち上げをして泣きじゃくる寺島さんに手を振り一人事務所に戻って明日からの仕事の整理をしていた。

すると廊下で声が聞こえた。

「わ、渡辺さん、困ります」
「さゆりちゃん、もういいだろ?俺の気持ちわかってんだろ?」
「私、好きじゃありませんから!渡辺さんのこと‼」
「ふざけんな!薔薇返せ‼10万もしたんだぞ‼」

俺は無意識に廊下に出ていた。

「あ!お前いたのか!」
驚く渡辺さんをぶん殴って
「さゆり、行くぞ」
と、さゆりちゃんの腕を引っ張り歩き出した。


その後、俺は色々あってさゆりちゃんと結婚した。

BiSのメンバーも式に来てくれた。

ぶん殴った渡辺さんもバツが悪そうだったけど参加してくれた。

プーが二次会でさゆりちゃんのとこへ来てつぶやく。
「さゆりさん。私達の今度出すCDに一曲、歌詞を書いてくれません?」
「え?」
「このダメマネージャーとのことをw」
「私が…?いいの?」

そして

その曲は「nerve」と名付けられ、彼女達の代表曲となった。





nerve

大人っぽいメークで

決めてきたつもりが

かわいいって言われて 軽く不機嫌

抱いてほしい気分で WOW

疲れたわって言ったら

それじゃ送ってくよって WOW

疲れるわ

その少し優しすぎるとこ

なんとかならないのかな

たまにイラっとしそうになる

そんな君が好きだってこと

わざとロマンティックなシチュエーションを作ってあげても

指にも触れない

カッコつけてるつもり?それとも私のこと好きじゃないの?

勇気がないの?

他の男の人に 花束をもらったよ

よかったねと言われて

もう 悲しいわ

この鼓動どうしてくれるの?

急に低い声で呼ばないで

すごく男っぽい時がある

そんな君がやっぱり好きなんだ

わざとロマンティックなシチュエーションを作ってみるけど

寄り添いもしない

カッコつけてるつもり?それとも私のこと好きじゃないの?

勇気がないの?

その少し優しすぎるとこ

なんとかならないのかな

たまにイラっとしそうになる

そんな君が好きだってこと

わざとロマンティックなシチュエーションを作ってあげても

指にも触れない

カッコつけてるつもり?それとも私のこと好きじゃないの?

勇気がないの?

カッコつけてるつもり?それとも私のこと好きじゃないの?

勇気がないの?




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by youngas | 2012-08-13 19:51 | XX KLUV3
2012年 07月 16日

XX KLUV3

第15回〈BiS 其の二〉

喫茶室パプリカ。

ドレスの女。学ランの女。目の前に俺。

そして横にはなぜかリクルートスーツの女と着物の女。

頭がクラクラしている。

不穏な空気が流れている。

みっちぇると呼ばれてた学ランサングラスの女がガムを噛みながら、俺を舐めるようににらみつけている。

「あのー…」

第一声はなぜか寺島さんだ。

「これは何なんでしょうか?」
「つーか、お前らが何なんだよ‼」
みっちぇるの叫びが店内をピリつかせる。
「OLのお姉さんはいいけど、そっちの秋田しょうちょう?何だ、あんたは⁉」
「こまちだからっ‼」
のぞしゃんが叫んだ。

「ていうか何これ?どうしたの?」
寺島さんが俺に聞いてくる。

「いや…あの、実は…」
俺の言葉を制してプーがつぶやく。

「ぺろぺろちゅっちゅー代」
「ぺろぺろ?」
首をかしげる寺島さん。

「こいつが姐さんにぺろぺろちゅっちゅーしたんだよ‼その金もらいに来たんだ‼」
店内にこだまするみっちぇるの声。

「とにかくほれ二百万。ほれ‼」
プーが手を差し出してくる。

「美人局だ‼これ‼」
寺島さんが叫んだ。

「聞いたことある‼つつもたせ‼」
のぞしゃんも叫んだ。

「てめー何がつつたも…せだよ‼何だよ?つつ…何だって?」
意味がわかってないみっちぇる。
プーが立ち上がる。
「てか、おめーら、うるせーんだよ‼美人局だよ‼何がわりーんだよ‼てめー、早く金出せや‼」
ネクタイをプーに引っ張られ絶体絶命のタイミングで
「ちょっと待った‼」
と声がした。

男の声。

坊主頭の怪しい風貌。

みんなそいつを一斉に見た。

「俺、あのー、淳之介と言います。事務所やってまして芸能の。お姉さんたちアイドルに興味ないですか?」
「アイドル‼」
子犬のようなキラキラした目でのぞしゃんが満面の笑顔だ。

サングラスをズラし、みっちぇるが淳之介に歩み寄る。
「ある‼」
「へ?」
「アイドルに興味あるよ‼」
サングラスを外すとクリクリした可愛い瞳が現れた。

「キミ可愛いじゃん‼今ね、新しいアイドルユニットを探してんの‼」
「てめーなんなんだよ‼」
さすがにプーがキレる。

「美人局なんて良くないよ。キミお金欲しいならアイドルになろう‼」
「どうしようかなぁ…」
頬を赤らめて寺島さんがつぶやく。

「寺島さんやる気なの?」
思わず聞くと「私アイドルとか、そんなの無理〜」と満面の笑顔だ。まんざらでもねーぞ。

のぞしゃんが淳之介に詰め寄る。
「CDデビューできるんですか?」
「ん?まぁね。君達次第だけど」

「金いくらもらえんの?」
プーが口を開いた。

「そうだなぁ。当たれば二百万なんて簡単だよ」
「マジか‼姐さん、乗っかりますか‼」

「二百万かぁ」

プーが指を折って考え出す。

謎の歌を歌いながら振り付けの練習をし出す寺島さんとのぞしゃん。楽しそうだ。

なんだこのカオス。

と、俺のケータイが鳴る。

「もしもし」
「あ!お兄ちゃん!今どこにいるの?」
妹のユリカだ。そういえば今日上京して遊びに行くとか言ってたな。
「今はマズイからかけなおす」
「てか、お兄ちゃん!うしろ!」
リュックを背負ってケータイを耳に当てたユリカが手を振って立っていた。

「お前!な、なんでここに?」
「渋谷来たからちょっと休もうかなって。あれ?お取り込み中…?」
「あ!私寺島です。あなたは?」

寺島さんがもう横にいる。
「あ、妹のユリカです‼」
「ユリカちゃんも可愛いじゃない!見えて来たなぁ」
淳之介が怪しく舌舐めずりした。



30分後ー。

五人が横に並んで座っている。

「これからは五人が一つになって…」

淳之介が偉そうに講釈を垂れている。

「はいっ‼‼」

元気に返事する五人。


これは何だ?

あ、悪夢だ。

また頭がクラクラしてきた。

つづく
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by youngas | 2012-07-16 23:54 | XX KLUV3
2012年 07月 11日

XX KLUV3

XX KLUV(チョメチョメクラブ)3とはyoungasの試験勉強は音楽を聞いたりテレビ見たりラジオ聞いたりの「ながら族」だったけど、実際の試験の時、たけしとか大槻ケンヂとか電気グルーヴのくだらないトークしか出てこなかったなほうshinodaが憧れのあの娘と全力で妄想恋愛をしてみるキモカワユスなコーナーです。

第14回〈BiS 其の一〉

雨が降りそうな渋谷の駅前。相変わらず平日のこんな早い時間なのに人が多い。

そして俺は今正直参っている。

職場で寺島さんに声をかけられたのは丁度一週間前。

「今夜飲みに行きませんか?」

会社の地下の駐車場の小さな喫煙スペース。

ここは知る人ぞ知る場所で警備員のおっちゃんがたまにタバコ吸ってたりするけど、滅多に人が来ないから俺の聖域だったのだが、経理の寺島さんが突然顔を出して、しかもこの俺を誘ったんだから二重でビックリした。

俺は容姿も頭も普通過ぎるぐらい普通。モテた記憶は幼稚園の時、ゆけちゃんて子が俺がりなちゃんと一緒に手をつないで帰るのを見て泣いてくれた思い出以外なく、バレンタインも第二ボタンも俺の中では漫画か映画の中の空想でしかなかった。

彼女も簿記の専門学校時代に付き合ったヒラノノゾミ以外はいなかった。

ちょっと変わった子で「のんちゃんじゃなくて今日からのぞしゃんで‼」と宣言してきたり、一緒に部屋にいるとやたらとメタルばっかり流してヘドバンしだすしで、あーなんだか大変な子だなと思ってたんだけど、それでも俺は初彼女だしかなり大切にしてたのに、「私アイドルになります。お世話になりました」と突然言って俺の前から去って行ったのだった。彼女が焼いた「ちるぼどべすと☆」と書かれた謎のCDRだけが形見のように部屋に転がっていた。

あれから二年。

何とか仕事にも慣れてきた近頃だが、同僚の曽之川と飲んだ帰りにピンサロ「nerve(ナーヴ)」に行くぐらいしか楽しみはない。

…と、思っていた。

しかし、まさか寺島さんに誘われて、その夜飲みに行き、「二年前からユルキャラにハマってるんですけど、グッズ集め出したら、部屋ん中がミュージアムみたいになっちゃったから見に来ませんか?」の流れで、終電逃してヤっちゃって、それから毎日メールメールメール。しかも「食べちゃいたいッッ(>_<)」とか「そう言えば隣にいた綺麗な人は?」とか自称ストーカーだけあってなんだか重たくもあり。

それでもまぁいいや、可愛らしいからと思ってたのだけど、問題は今だ。

今、俺を参らせているのは昨日のことだ。

曽之川に誘われて行ったクラブ「MY IXXX(マイアイ)」で、へべれけな上に合法の薬を飲まされて、気がついたらラブホのベッドの上。

全裸で寝返りをうち、ベッドから転がり落ちた俺を、タバコをくゆらしてじっと見つめる女がいた。

「よっ!」

気さくな挨拶。で、恐る恐る「よっ!」と返すと、

「よっ!じゃねーし。払えよ、二百万」
「二百…万?」
「トボけんじゃねーつーの。私と夜通しぺろぺろちゅっちゅーしたんだから代金‼」
「へ?」
「へ?じゃねーし!よこせよ!ギブミーユアマニー全部!泣いたりなんかしたくないんだから、私も!」
「ていうか二百万なんてないよ‼」
「はい。出ました。じゃあ、このiPhoneの中の動画がネットで流れていいんだね?」
「いや。何それ?え?」
「まー今ないのはしょうがないから明日、持って来て。朝11時に渋谷な。あたしプー。そいじゃ」
俺がため息をついてると、プーと名乗るその女がまた顔を出して一言。
「逃げれないから。全部アドレスから会社から抑えたから。バイバイプー」

俺は呆然とまた深いため息をついた。


そして今渋谷駅。会社には体調不良と嘘をついた。当然金も用意出来なかったが、日本人の伝統的な土下座で動画のばらまきだけは抑えるべくやってきた。

と、聞き覚えのある声が後ろから聞こえる。

「きりたんぽうめーよー。秋田のきりたんぽうめーよー」

その声に振り返ると、のぞしゃんが着物の上に「秋田小町」と書かれたタスキをつけて、きりたんぽを配っていた。

笑顔で俺の前にやってきて、一瞬固まりのぞしゃんが叫んだ。

「な‼何してんの⁉」

完全に俺のセリフだ。

「待ち合わせだ…けど」
「こんな平日の真っ昼間から待ち合わせって、何やってんの?」
「ていうか、アイドルは?キミアイドルになるんだったんじゃないの?」
「アイドルイズデッド‼アイドルなんて職業は職業欄に無いの‼」

「いた‼」
後ろからまた声がして、振り返る。
ケータイを手ににっこりと寺島さんが立っている。

「やっぱりGPSってすごいね‼」
「お前…何勝手に⁉」
「会社サボって何してんの?ていうかこの子…ダサい。ユルキャラ?」
「誰がユルキャラよ‼私は秋田小町‼」

二人の口論を止めようとしたら、後ろからまた声がする。

「姐さん‼こいつッスか?」

ティアドロップのサングラスになぜか学ラン。ショートカットの女の子だ。

「まぁまぁ、みっちぇる。とりあえず喫茶室に連れてこうか」

プーと名乗っていた女だ。なぜかマリーアントワネットのようなピンクのドレスを纏っている。

寺島さんがボソッともらした。

「コスプレ大会?」

つづく
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by youngas | 2012-07-11 18:11 | XX KLUV3
2012年 05月 28日

XX KLUV3

第13回〈能年玲奈-後編-〉

少女がポケットからiPodを取り出して耳に差し込み聴き始めた。

男は二本目のタバコを吸い始めた。

ヒゲ面は携帯をいじっている。

液晶画面が半分壊れて見えない。

ヒゲ面は上下に振ってイライラを隠せずにいる。

少女は目を瞑り横になった。

漏れた音が聞こえている。

雨の音が激しさを増している。

ヒゲ面は携帯を机に置くと横になり目を瞑った。

男は灰皿の上でタバコをもみ消すと、立ち上がり電気から垂れたコードを二回引っ張った。

部屋が真っ暗になって、男はそっと横になった。




朝。


少女は眠そうに起き上がりカーテンを開けて外を見た。

雨は上がっていた。

男はもう起きていて、タバコをくゆらしている。

ヒゲ面はまだ寝ている。

少女は居間を出て奥の部屋へ向かう。

少女漫画や小さな赤いランドセルがあり、ぬいぐるみや花が飾られている。

本棚をじっと見つめて、少女は一冊そこから本を抜き出した。

パラパラとめくる。

すると、本の間から写真が一枚はらりと落ちた。

少女はその写真を拾いあげ、じっと眺めた。

学生服を着た中学生らしい少年がピースしている。

少女はそれを元に戻すとそっと本棚にしまった。

少女が居間に戻ると、ヒゲ面がシャクシャクと音をたてながらリンゴをかじっていた。

少女に笑顔でリンゴを差し出す。

少女は笑って首を振り、窓の外を見た。

外で男がタバコを吸いながら木を見上げている。

少女がサンダルで外に出て横に行き木を見上げた。

男が木の下を指差した。

少女がうなづいた。



ヒゲ面がバスタブに重なる四体の遺体を見下ろしている。

男と少女はスコップで木の下を掘っている。


ひんやりとした風が辺りを包み、少女は汗をぬぐうとにっこりと青空を見上げた。

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by youngas | 2012-05-28 21:10 | XX KLUV3
2012年 05月 21日

XX KLUV3

第12回〈能年玲奈-前編-〉

地方のロードサイドのパチンコ屋の駐車場。

早朝だから車は一台も止まっていない。

少女が縁石に座っていて、遠くをぼんやりと眺めている。

薄汚れた白い車がゆっくりとやって来て彼女の前で止まった。

車の窓からパーカのフードを被った気の弱そうな男が顔を出した。

少女が振り向く。

男の顔を見て少女はニッコリと笑った。


助手席に乗った少女に話しかけることもなく、男は黙って車を走らせている。

少女もまたぼんやりと外を眺めている。

曇り空。

車はひたすらに長くて広い田舎道を進んで行く。



30分後。

ファミレス。

男がタバコを吸っている。

少女はメロンソーダをズズッと音を立てて吸っている。

会話はない。

男がポケットに手を入れて、まさぐった後、テーブルの上で手を広げた。

541円。

1円玉が1枚だけテーブルにぶちまけられた勢いでクルクルと回っている。

少女の方まで一円玉が転がって行き、メロンソーダまみれのストローでその一円玉をフーッと吹いた。

緑色の少し付いた一円玉が力なくテーブルのはしっこで倒れた。


15分後。

車は山道を走っている。

少女は椅子を倒して腕を組んで寝ている。

男はタバコを吸いながら空を気にしている。

ポツポツとフロントガラスに雨が当たり、男はため息と煙を吐き出した。

薄暗くなってきた。

雨の降る中、山道をひたすら登っていく。

車のライトが山奥の森の中に不気味に佇む一軒家を照らし出した。

車がその前で停まる。

雨粒が森の木々や車に当たって静かに騒がしい。

少女は目を覚ますとうーっとうなりながら伸びをしてあくびをした。

男が先に降りる。

鍵を差し込み扉を開ける。電気をつけるとぼんやりと長い廊下が浮かび上がった。

男は靴を脱ぎ、手前の左側にある居間に入って行く。

電気をつける。

男はその場に座り込んでタバコを取り出すと火をつけた。

煙を吐き出す。

少女もその部屋にやって来て男の隣に座る。

雨の音だけが聞こえる。

少女の視線の先には家族の写真。

にっこりと笑う男女の前で帽子を被った兄と思われる少年と恥ずかしそうに下を向く妹と思われる小さな幼女が写っている。

ふーーっ。

男の吐き出した煙がゆらゆらと部屋を登って行く。

ピンポーーン。

呼び鈴が鳴る。

二人そろって振り返る。

少女は立ち上がり玄関へ向かう。

扉を開ける。

背の高いヒゲ面の男が立っている。

ヒゲ面はにっこりと少女に笑いかけた。雨でびっしょりTシャツが濡れている。

少女も笑い返して男を無言で迎え入れた。

ヒゲ面はびっしょりの靴とびっしょりの靴下を玄関で脱ぎ捨てて家に上がり込んだ。

部屋でタバコを吸う男と目が合った。

二人は何も言わず軽く手を上げ挨拶をした。

ヒゲ面が腰かけた。

少女もまた隣に座った。

雨の音だけが聞こえる。


つづく
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by youngas | 2012-05-21 20:56 | XX KLUV3
2012年 05月 07日

XX KLUV 3

XX KLUV(チョメチョメクラブ)3とはyoungasのエビ中ではぁぃぁぃ推しなほうshinodaが憧れのあの娘と全力で妄想恋愛をしてみるキモカワユスなコーナーです。

第11回〈剛力彩芽〉

「もう別れるから」

彩芽からの最後の電話。

あれからもうすぐ11時間たつ。で、思ったんだけど、そもそも彩芽は俺の彼女だったのか。

はたから見ればカップルだったんだろうが、一度も付き合おうとか言ったことはないし、俺たちの関係を会話の中で確認することもなかったから、別れると言う彼女の言葉はなんだかちょっとうれしくもあった。


ゆうべの仕事帰りに同僚女子の水野と二人で飲んだ。
行きつけの居酒屋そがわ屋で半分は仕事の愚痴と、こないだ行ったインド料理が何食べても辛くって参っただの、会社の一番近所のコンビニが無くなっちゃって不便だったのにまさかあんなラメとヒョウ柄だらけの婦人服の店が出来るなんてねといった話を水野が楽しそうに話すのを聞いていただけだった。

だから嫉妬の要素は何ひとつなかったんだけど、彩芽はひどく嫉妬して「私とのメールを返せないぐらい盛り上がってたんでしょ?そがわ屋の裏のラブホでも行った?あーもういいや。別れるから」となったのだ。

彩芽の嫉妬は今に始まったことじゃないけど、今回は特別酷くて参った。

結局、俺も何だか本心でもないことを色々口走ってしまって大喧嘩。

今のところ彩芽から連絡はない。

今日は俺が一日休みで彩芽の仕事終わりに合わせて三茶で待ち合わせてご飯を食べることになっていた。

どうせ昼にでも「ごめん」とメールが来るはずだと思っていた。

昼を過ぎてもメールは来なかった。

接続中…

メールをチェック中…

何回やっても彩芽からのメールを受信することはなかった。

約束の18時まで後一時間。

俺は上着を羽織って外へ出た。

電車に乗って三茶へ向かった。

電車の中でもずっとメールを待ったけど彩芽からの連絡はない。
メール受信で心臓が激しく脈打ったけどAmazonのあなたへオススメのアイテム情報だったりして、それが前に彩芽と買ったPSPの最新ソフトだったりするから、また思い出してげんなりしたりして。

三茶。17時45分。

仕事は終わっているはずだ。

だけど、何だかこちらからメールや電話はしたくなくって、駅前のベンチに腰かけた。

問い合わせし過ぎてどんどん充電が減っている。

約束の18時を過ぎても彩芽から連絡はなかった。


19時。

ずっとiPhoneを持った男が同じベンチに座ってるなって思われてるんじゃないか。

何だか急に頭にきて立ち上がり、悔しさと寂しさで泣きそうになったりしながら、iPhoneをポケットにしまって駅へと向かった。

21時。

部屋には見てもいないテレビだけが楽しそうにしている。

俺はまだiPhoneの画面をベッドに横たわって眺めていた。

「君からメールがこないから一生僕は眠れないんだ」
銀杏ボーイズの「ナイトライダー」を口ずさんでみた。

彩芽が「この歌いいよね〜」とこのベッドで言ってたことを思い出す。キツく目を閉じたら、何だか泣けてきた。

枕に顔を沈めた。


と、次の瞬間にメール受信の音が鳴り響いた。

すぐに開く。

彩芽だ。

件名:なし

「バーカ。




ごめんね」

メールを見て号泣したことは彩芽には言わなかった。

翌日、正式に彩芽は俺の彼女になった。

※この小説に関するお問い合わせ、質問、意見などは一切受け付けておりません。
また、「きゃりーぱみゅぱみゅって新世代のアイコンとしては相当優秀だよね。俺的にはアリかな」とか言いながらやってることは素人ブログだけなクリエイター気取りからの苦情だけは絶対無いようにお願いします。

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by youngas | 2012-05-07 23:59 | XX KLUV3
2012年 03月 06日

XX KLUV 3

XX KLUV(チョメチョメクラブ)3とはyoungasのももクロがいよいよブレイクして遠くへ行ってしまう寂しさを感じているほうshinodaが憧れのあの娘と全力で妄想恋愛をしてみるキモカワユスなコーナーです。

第10回〈長谷川潤〉

「別れるッ!!」

潤はそう叫んで立ち上がると颯爽とカフェを出て行く。俺は渋い顔で後を追いかけた。

カフェの外の公園のベンチ。潤が座っている。走って近づく。

ふくれた顔をしていた潤が急に笑顔になってこう言った。

「どうだった?今の演技‼」

潤と俺は小さい劇団に所属していた。そこそこ有名な雑誌でモデルをしていた彼女はたまたま友達に連れられて来て見た演劇にハマってまさかのモデル引退。俺のいた劇団に入って来て休みの日にはこうやって二人で街中で度胸試しの芝居の練習みたいなことをしてる内に意気投合し、付き合うことになった。

付き合うことになった翌週にダンボールを抱えて俺のボロアパートに転がりこんで来た時は驚いた。彼女は麻布の一等地の高級マンションに住んでいたんだから。

アパートの階段を上り、203号室の鍵を開ける。潤は寒い寒いと言いながらこたつに潜り込んだ。

「ごはんは~?」

顔だけ出して聞いてくる。

「カレーかなぁ」

戸棚のレトルトカレーを見てぼんやりとそう答えたら、もう潤は小さい寝息を立てていた。

俺はやれやれとこたつのスイッチをつけた。最後の一本の発泡酒を開けていきおい良く飲み干してため息まじりに銀行の通帳の残高を眺めた。

潤はモデル時代に稼いだ金は全てユニセフに寄付したと言っていた。感心はしたけど、正直偽善だとも思っていたし、ここで暮らすならバイトでもして家賃を半分入れて欲しかった。でも何だか言い出せずにいた。



ある日の夕方。バイト終わりの稽古場に少し早く着いたら、もう明かりがついていた。座長が誰かと電話していた。俺はそっと聞き耳を立てた。

「劇団員には今週中には解散のことは言おうと思ってる。うん。大丈夫。潤ちゃんには申し訳ないことをしてしまったなぁ。ウチで面倒見るとか言っておきながら、もう借金で首が回らないなんてな。ハハ。情けないよ」

俺はそこまで聞いて白々しく「おはようございます」と挨拶をした。

電話を切った座長が焦りながら振り返る。

「お!お前か。おはよう!」

20分後、潤が元気に「おはようございます‼」と笑顔で入ってくる。

で、俺を見つけて

「お水出っ放しだったよ!」

と叫んだ。

俺たちが付き合い同棲していることは誰にも言ってなかったけど、潤の奔放な性格が勝手に皆に報告していた。

その日は劇団解散の話はされなかった。

夜はカップラーメンを並んですすると潤はいつのまにかまた寝ていた。

窓を雨が叩いていて俺は朝まで眠れずに過ごした。


数日後、座長に呼び出され、思った通りの解散の話をされた。そして今稽古中の最終公演もできないすまないとのことだった。

話を聞き終えて稽古場の扉を開けた時、座長が背中越しに言った。

「お前、潤と住んでるんだろ?この話、お前から先に話しといてくれんか?」

俺はお疲れ様でしたと頭を下げて外へ出た。

翌日。

いつものカフェに潤と並んで座っている。

「潤、今から話すことは芝居の練習でも何でもないから真剣に聞いてくれ。劇団が解散することになった。俺ももういい歳だから役者の道は諦める。お前にはまだまだ未来があるし、俺なんかといない方が幸せになれると思う。別れよう」

次の瞬間、立ち上がった潤が思い切り俺をビンタして涙目で叫んだ。

「夢は信じてれば叶うって言ったのは嘘なの?そんな言葉は陳腐な綺麗事と笑う奴は俺が笑ってやるってあなた言ってくれたよね?ねぇ‼これで終わりでいいの?ねぇ‼」

周りの客が完全に凍りつく中、潤はマフラーをひったくるようにして手に取ってカフェを出て行った。

俺はその後を追っかけた。

公園のベンチ。潤が両手で顔を隠してうなだれている。

近づいていき「潤、あのさ…」と声をかけたら、急に両手をピースサインに変えて潤が笑った。

「最高の演技だったでしょ?最後の演技」

顔は涙でグチャグチャだった。


5年後ー。

実家の酒屋。タバコをくゆらす俺。ムカつくぐらい、いい天気だ。

近所の猫がやってくる。

「スルメなかったっけ?」

店の奥に向かって叫ぶ。

「ニャンコ?」

娘を抱いた潤がテロテロのTシャツで顔を出した。


※この小説に関するお問い合わせ、質問、意見などは一切受け付けておりません。
また、相方の香港出張の激励的な意味で相方が好きな長谷川潤の回をお送りしたことは内緒でお願いいたします。

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by youngas | 2012-03-06 09:16 | XX KLUV3
2012年 02月 28日

XX KLUV 3

XX KLUV(チョメチョメクラブ)3とはyoungasの高校時代にホットドッグプレスを読み過ぎてこう言えばヤレると女子を偏見まみれの眼差しで今だに見てるほうshinodaが憧れのあの娘と全力で妄想恋愛をしてみるキモカワユスなコーナーです。

第9回〈満島ひかり〉

朝10時10分。
新松戸駅前。

上下真赤なジャージ姿の女がガムを噛みながらしゃがんでいる。イライラを隠せない様子で時折、舌打ちと「あーークソッ!!」と吐き捨てては周囲を睨みつけている。

そこへ男が走ってくる。僕だ。男は土下座をしたけど伝わらなかったみたいで脇腹を思い切り蹴られた。男がのたうちまわるのをニヤつきながら眺める女。ひかりだ。

数分後、ボロボロの車が走り出す。

脇腹を抑えながら運転する僕。

ひかりは眩しいのか僕のティアドロップのグラサンをいつのまにかかけていてタバコをくわえながら「何分?」と聞いてくる。

へ?

マヌケな声を出したらドアをグーパンしてひかりが怒鳴る。
「水戸まで何分!」


20分後、ひかりは寝ている。

少し平和な車内。田舎道が続いている。


「今どのへん?」

寝てたひかりが突然聞いてくる。

「牛久あたり」
「あ、そ」

ひかりは再び背中を向けて眠り始めた。

小さな音のBGMはイエローモンキー「JAM」。

田んぼ道が続いている。


僕はトイレに行きたくなってコンビニで車を停めた。グラサンがズレてひかりの目が覗いているが確実に瞑っている。小さな寝息も聞こえる。

今だ‼

音をたてないようにドアを開けると、そっと僕は外へ出た。

ひかりはまだ寝ている。


トイレを済ませて戻るとひかりが携帯を眺めている。急に汗が出てくる。

そっと車のドアを開ける。

「ごめん。ちょっとトイ…」
「チョコ」
「へ?」
「買ってきて。チョコ」

僕は走ってコンビニに戻っていった。


昼12時25分。
水戸市内。

車は目的地まで近づいてきてる。

ひかりはグラサンをはずして外を眺めている。

BGMは「おどるポンポコリン」。

「ぴーひゃらぴーひゃらぱっぱぱらぱ」

ひかりが小さく歌い出す。

車が住宅街の中へ入りこむ。小汚い一軒家が見えてくる。

「あれ」

僕が指差してそう言うとひかりが

「あ、そ」

とつぶやいた。


その家の前に車を停めて僕は車を出た。ひかりも後ろにやってくる。

ひと呼吸おいて呼び鈴を鳴らした。

はーい

年配の女性の声。

ひかりと僕は目を合わせてうなづいた。

扉が開く。

おばはんが立っている。満面の笑み。

「あら〜‼おかえり~‼あなたがひかりちゃん?」
「あ。はい‼お母様‼」

ひかりが聞いたことのない声を出す。そして満面の笑みでお辞儀をした。

「あんたの言う通りいい娘さんだこと‼さぁ‼上がって頂戴‼」

僕は苦笑いで実家の扉を閉めた。


※この小説に関するお問い合わせ、質問、意見などは一切受け付けておりません。
またこの小説を読んでメールで「お願いしたで有安ッ‼」とかおどけて入れたら相手が全然ももクロを知らなくて「どういう意味?」とリアルに聞かれちゃったなどのどうでもいいエピソードもお断りいたします。

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by youngas | 2012-02-28 02:31 | XX KLUV3
2012年 02月 21日

XX KLUV 3

XX KLUV(チョメチョメクラブ)3とはyoungasのガキの固まり王が面白過ぎたのでプライベートで試すことを決めたほうshinodaが憧れのあの娘と全力で妄想恋愛をしてみるキモカワユスなコーナーです。


第8回〈早見あかり〉

退屈過ぎる高校生活。その日の授業中も俺はぼんやりと窓の外を眺めていた。

校庭に誰かいる。制服のショートカットの女の子。花壇のヘリを両手を広げてバランスを取りながら器用に歩いてる。落ちたら危ないのに。
その娘はうまく一周し終えるとゆっくり歩いて校門から外へ出て行った。

何だったんだろ?

その次の金曜日。またぼんやり校庭を見てたらあの娘がまた歩いてる。
俺は思わず手を挙げて「トイレ行ってきます」と教室を出た。

階段を駆け下りて校庭に出たけどあの娘の姿はない。

帰っちゃったのかな?

次の瞬間。俺の頭に小さな塊が当たった。

イテッ!

振り返ると、その娘が立っていた。
「どんぐりだよ!」と笑った顔を見てやっと思い出した。

「あかり‼」

幼なじみのあかりだった。小学校の高学年のクラス替えを境にして全く遊ばなくなっていた。中学も別の所に行ったからその後どうしたのか全く知らなかった。

「あかり、お前何してんの?学校は?」
「学校?行ってないよ」
「制服着てんじゃん。それ城南のだろ?」
「そんなことよりどっか行かない?お腹空いたし」
「お前相変わらず自由だな。俺授業中だよ?」
「じゃあ何でここにいるの?」
「そ、それは、お前が見えたから…」

言い終わらない内にあかりは俺の手を取って歩きだした。驚くほど冷たかったから俺はドキドキしていた。

10分後俺たちは電車に乗っていた。

「どこ行くの?俺確実に荷物そのままだけど」
「荷物なんて明日でいいじゃん」
「明日学校休みだし」
「男のくせにいちいちうるさいな〜」
そう言いながらもあかりは笑顔で楽しそうだ。

2回乗り換えて俺たちは横浜にいた。

「何で横浜?」
「海も見れるし中華食べれるから‼」

中華街を歩く。

「上着持ってくりゃ良かった。超さみー」
「学ランだと修学旅行みたいだもんね‼」
「お前楽しそうだな」
「え?楽しくないの?」
「いや。楽し…」
「あ!あれ食べようよ!ジャンボ豚まん‼‼」

あかりに言われるがままに二人並んでジャンボ豚まんを頬張った。すげーおいしかった。

その後くだらない話をしながら山下公園に向かった。制服の俺たちにはまだなんか大人な場所な気がして恥ずかしかったけど海だ海だとはしゃぐあかりはすげー可愛くて俺もいつのまにか笑っていた。

「綺麗だね海」

さっきまではしゃいでたのに突然あかりの声が曇った。

「どうしたんだよ?」
数秒の沈黙の後あかりがつぶやいた。

「嫌なことあっても負けんなよ」
「なんだよ。急に」
「キミが言ってくれたんだ。昔」
「え?」
「私がアヤとかにいじめられてて学校の階段でうずくまって泣いてたら、汗でビチョビチョのタオルを差し出してキミが言ってくれたの。嫌なことあっても負けんなよって」
その時の記憶が蘇り何だか恥ずかしくなって俺は「飲み物買ってくるわ」とその場を離れた。

あかりが背中越しに「ありがとう」と囁いた。


あったかい飲み物を両手に持って戻って来たけどあかりの姿はそこになかった。

公園中探したけどあかりはいなかった。もうすっかり日も暮れて夜の海があまりにも綺麗ですっかり冷めた紅茶を二杯飲み干すと俺もその場を後にした。



一年前にあかりが事故で死んだと聞いたのはその二日後のことだ。

俺は一人、自分の部屋で枯れるまで泣いた。わんわん泣いた。

窓を開けたら優しい日差しと冷たい風が部屋に入ってきて鼻の奥がツンとした。

負けるかよ。

空に向かって囁いた。

※この小説に関するお問い合わせ、質問、意見などは一切受け付けておりません。
またこの小説を読んで死んでんだろうと思った‼などの上から批評は絶対にお断りいたします。

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by youngas | 2012-02-21 20:34 | XX KLUV3