2014年 05月 13日

劇場版 テレクラキャノンボール 2013を観る人生を選ぶ人へ

くだらない。

もうほとんど他を寄せ付けない圧倒的くだらなさ。

数名の男たちがいい女といいSEXするという目的だけでナンパやテレクラを駆使して競い合うロードレースを描いたドキュメンタリー。(目的は話が進むにつれ徐々に霧に包まれていくのだが)

後半過激さのメーターが完全にぶっ壊れ文字通りの地獄絵図となっていくのだが、もちろん監督のカンパニー松尾氏の提言通りそこには触れない。

触れなくたって充分面白い。


AVという文化こそがそもそもくだらないという人もいるだろうし、テレクラを始めとした今や衰退した出会い系風俗カルチャーやナンパという行為そのものに嫌悪感を抱く人も少なくないだろう。

しかしそんな人にこそとにかく黙ってこの映画を見てもらいたい。ぶっ飛ばされる覚悟は出来ている。

SEXというただ一つの目的に向かって奮闘する男の姿ほど悲哀に満ちたものはない。ポツドールの三浦大輔はそれを一貫して描いているし、先頃アルバムを出した銀杏BOYZもそのもがきを数多く作品にしている。要するにその姿は物語になり得るということだ。

簡単に言えば「男とはヤリたい生き物であって、それを女は受け止める生き物なのだ。そうやって世界は何千万年も続いてきたのだ。」というようなことをものすごく馬鹿馬鹿しく、シンプルな仕掛けで見せるこの映画はカンヌ映画祭に出品されることはないだろうが、いや、そこに出品された映画よりもきっとずっと絶対に面白いのである。

普段は服を着て真面目に仕事してる人間が裸になってお互いの膨張した棒や浸潤した穴にあーだのいーだの言いながらやり合うのがSEXなわけで、つまりはその姿を当事者以外が見れば滑稽に決まっている。それを見てもらう目的で作られたのがAVなのだから、笑いとは紙一重であったのだ、元から。

そう思えば観客の爆笑に次ぐ爆笑も頷ける。普通のストーリー映画(コメディも含む)の監督たちには申し訳ないが、鑑賞したのが劇場ではなかったにせよ、あんなに爆笑が起きている映画をここ最低十年、僕は知らない。自分も息ができないぐらい笑った箇所があったし、映画を見て声を出して笑うということそのものが久しぶりに感じた。

もう何を言ってもネタバレに繋がるので詳しいキャラとそこで起きたことなどは何ひとつ明記しないが、今思い出しても充分声をあげて笑えるレベルの面白さ。

相方の「今年というより、これまで見たドキュメンタリーの中でも白眉の面白さだった」という言葉には全くもって同意見だ。

もう一つ別の意味で面白かったのは女性客の多さ。AVの顧客である男性が見たい!と思うのは当然として、この映画にどんなシンパシーを感じてやってきたのか謎だった。さらに言い方に多少語弊はあるが、そこそこの美人が多くこれにも驚いた。普段はスイーツが話題の中心ですみたいな顔した子たちが、上品なシーンが一秒たりとも出てこないこの映画を見てゲラゲラ笑っていたのだ。まーそれはそれで興奮させて頂いたわけですが。
いわゆるSEXを扱った表現に対しこんなに女性たちが反応してしかも笑っているという状況は驚きと戸惑いと同時にたくさんの勇気をもらった。
男たちだけで見ていたら感想も少し違ったかもしれない。目的とされている女性たちがゲラゲラ笑っているということによって昔からAVをコソコソと見ていた自分をも許されたような気持ちになったのかもしれない。

一人でも見に行こうと思っていたこの映画に誘いのメールをくれた相方はさすがだ。ある意味こんなにyoungasらしい映画はないのかもしれない。史上初のW受賞になるのか、今年の俺アワードを大いに期待してもらいたい。


最後にこれだけはどうしても言いたかったので書かせていただく。

今回、みんなでわいわい見よう!と題された映画の鑑賞を含むメインはトークイベントだったのだが、監督のカンパニー松尾氏と出場者のバクシーシ山下氏に加えトークゲストが社会学者の宮台真司氏であった。宮台氏が優れた社会学者であることは知っているし、彼そのものに対して文句があるわけではないのだが、せっかくあんなにお酒を呑んだりしていい空気で笑った後に行われるトークショーにしては、内容が固過ぎな気がした。それまでもちろん散々トークショーなどを劇場でやってきたのだろうから、メンバーをステージに上げての裏話大会はすでにやり切ったのかもしれない。でもやっぱりあんなにゲスくて面白い映画の裏話はあの雰囲気でぜひ聞いておきたかった。

面白いものに解説も理屈もいらないということを思い知った。ということかもしれない。


さて、これから会場で買った完全版600分を見るとしよう。

テレクラキャノンボールを見ない人生より見る人生のほうを僕は選んでしまったのだから。


youngas shinoda

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by youngas | 2014-05-13 20:34


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