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2010年 09月 29日

やがちゃんのXX KLUV(チョメチョメクラブ)2010 秋の特別編

やがちゃんのXX KLUV2010 秋の特別編とはYOUNGASのオールナイトの限界が2時頃までになってきたほう・シノダが完全妄想で理想の逢い引きをしてみるコーナーを約1年ぶりに唐突に復活させてみただけの気まぐれな全3回のスペシャル企画です。


第1回


2010年、秋―。


猛暑が続いた夏がやっと過ぎ去ったと思ったら急にやたらと肌寒くここんとこは冷たい雨が都会を包んでいた。


「あんなに出来たんだね、スカイツリー」
錦糸町駅のホーム。スカイツリーを見上げて麻里子がつぶやいた。
「今度近くまで行ってみるか」
麻里子が嬉しそうに頷いた。


休み明けのデスクは先週の仕事の残骸が散らかり一瞬でため息がこぼれた。
「汚い!片付けなよ。もう」
同僚の板野が眉間にしわをよせている。

「おふくろかよ。お前は!」
「じゃあ自分でやれば!」
気分を害したのか急に板野が書類を俺に投げるように渡してきて小さく吐き捨てた。
「私おふくろじゃないし」


困り顔で席に着くと向かいの席の前田と高橋が同時に言った。
「女心がわかってないっ!!」


特別編〈AKB48〉


「女心って何だよ?」
高橋が頭を抱える仕草で答える。
「友美の気持ちわかってないわけ?」
前田が続ける。
「デートしたんだよね?友美と!」


確かに先週板野友美と俺はオシャレなレストランで食事をしていた。しかしまさかこの二人がそれを知ってるなんて!
「誰から聞いたんだよ!」
「友美本人から!」

板野のデスクに目を向ける。
板野が急に顔を逸らしたのが目に入った。
おしゃべりだな全く。


その日の夕方。外回りを終えて自分のデスクに座るとリポDと小さく折られたピンクの紙が机の上にあった。

板野だな。そう思って紙を開けると「外回りお疲れ様です!!これで元気つけてくださいネ 大島」と書かれていた。
大島?大島……あ!受付の優子ちゃんだ!そう気づいた次の瞬間背後に気配を感じた。振り返ると板野が立っていた。


「お疲れ様。外回りでしょ?」
「お!…おう。お疲れ…」
手紙をそっと後ろ手に隠してポケットに忍ばせた。
「何?ひきつってるけど。顔が」
「そんなことねぇよ」
「あ!そう言えば受付の大島さんがキミの机どこか聞いてたらしいよ。何なの?」
「知らない…」
「ていうか今日もう終わりでしょ?ご飯行かない?」
「う…うん…」
「何?その返事!」

すると課長が奥から現れた。
「板野くん!悪いんだけど今日ちょっと残れるかな?」
板野は一瞬顔をしかめたがすぐに笑顔を作り「もちろんでぇ〜す!」と返すとすぐに自分のデスクに戻っていった。


俺は少しホッとしてオフィスを後にした。
下りのボタンを押してエレベーターを待っていると絶好のタイミングで携帯が鳴った。
メールだ。開くと彼女の麻里子からだった。
「今日何食べたい?何も思いつかないからなんかあったら教えて」
考えている内にエレベーターが来て1階に降り、携帯片手に悩んでいると「あの…」と後ろで声がした。
振り返ると受付の優子ちゃんが潤んだ瞳で立っていた。


「今お帰りですか?」
「あ。うん。ありがとね、あの、リポビタンDと…」
「いいんです!」
遮るように大きな声を出す彼女。
「あの、勝手に、机どこか聞いたりして、すいません…」
「いや…」
「迷惑ですよね…」
「全然そんなこと…」
話が終わらない内に深くお辞儀をして立ち去ってしまった。


帰り道。電車の中でメールを返す。
「肉じゃがが食べたいかな」

数分後携帯が鳴る。
「了解(^O^)/」


俺は少し笑って窓の外に見える夕暮れのスカイツリーを見つめていた。


続く


※この日記に関するお問い合わせ、質問、意見などは一切受け付けておりません。
またこの日記を読んで今さら中澤裕子が痩せたから何なんだなどの苦情もお断りいたします。

by youngas | 2010-09-29 10:45 | XX KLUV2010 秋の特別編


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