2024年 12月 31日
2023年 03月 14日
この一年のベスト作品を各部門別に勝手に発表する毎年恒例俺アワード!!! 今回で俺アワ14年目!!!!来年で15年て笑 というか遅筆過ぎてすっかり春めいてしまいメンゴ!!! もう誰も読んでないかもしれないんだからブログというより日記なわけだけど、自分が映画と向き合った記録としてこれはどうにか続けていきたいと改めて思ってますよ。(毎回この入り!!) ぶっちゃけ去年でもうやめようかなーとも思ったんですけどね。過去のものをダーッと読み返してみたら文章はだいぶ稚拙でアレだけど面白かったんですよね。面白いってファンではなくてインタレスティングのほうね。あーこんなことを思ってたのか俺は!っていう。今はたぶん考えないとこまで思いを巡らせてたり、今は嫌いな要素をめちゃくちゃテンション高めに褒めてたり。人って変わるので今はあんまり好きじゃ無い映画がランクインもしてるんですけど(それがどれかは言わないけど笑)、そういうとこも含めて自分史としてこれは続けるべきだなーと。 というわけで言い訳もたっぷりしたところで今年も映画編のみですが濃厚に参りたいと思います!! よろしくお願いしま〜す!! ちなみに2022年にシノダが見聞き読みしたものなので発表やリリースが2022年じゃないものもありまーす! 【注意】今回もネタバレわりとありで話しますんで、観てないタイトル出てきたら完全ネタバレしたくないタイトルな時はどうぞ飛ばしてください。 2022は全体的に見てもしっかり豊作!!! コロナとか戦争とかネガティブな要素は盛り沢山なのにそれを跳ね返すような映画の力をヒシヒシと感じた一年でした。 それこそ世相を反映したシリアスな社会派から、ガッツリエンタメ、風変わりなホラー&ミステリーまで例年を上回る幅広いラインナップでどれも面白かった!自分が見た中では大はずれみたいなのは無かった気がします。 第10位:『ドント・ウォーリー・ダーリン』 "みんな大好き『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で初監督した女優のオリビア・ワイルドが次に挑んだのは奇天烈ディストピアSFスリラー!!これまた大好きなフローレンス・ピュー嬢を濃厚に堪能出来るってだけでランクイン当然!!" わりとありものの要素が強いし、冒頭数分で全然ドント・ウォーリーじゃねーなってことが丸わかりな(わざとだろうけど)良い意味でチープなノリだし、結果1950年代的ディストピアSFスリラーっていう言葉から想像した枠からまるで出ないで終わるんですよね。 ということは順当に考えればランク外でもいいはずなんですけど、やっぱり『ミッドサマー』でメロメロになったピュー様を長時間拝める案件てだけで加点に次ぐ加点な訳ですよ笑 ワンダイレクションのハリー・スタイルズ演じる旦那様によるテーブルの上の料理を押しのけてまでやる大ク○ニとかね!!ありゃすごい!!野性味がもう笑 ガラスの壁に圧迫されてぶちゃむくれフェイスになったり、サランラップぐるぐる巻きでブス苦しい!!ってなったり、ガンバルマンじゃねぇんだから!笑 ワイルドさん、いくらなんでもピューにやり過ぎ!笑 それぐらい字の如く体当たりさせられちゃうピューちゃんの頑張りね!もうそこに尽きると言ってもいいかも。 あとはクリス・パインが怪しさ満点の実業家で出てきたり、オリビア・ワイルド本人もヤベー隣人で登場したり、見てて飽きなかったですねー。後半の二度目のどんでんもまぁ、見たことあるかなって感じなんで真新しさは無いけども、キリスト教原理主義者に対するNOをスプレーで殴り書きしたような痛快な感触でしっかり終わるんで「つまんなかった!」って人はそこまでいないんじゃないかなぁ。どれだけ「超面白かった!」ってなる人がいるかはわかりませんが笑 俺はとりあえずピューちゃんをこれからもまだまだ推していきます!!ランクインはハリー・スタイルズと付き合ってたんかい!!も驚いたオリビア・ワイルド監督のこれからにもさらなる期待を込めて。そしてトランプ以降の家父長制回帰への強烈な中指に賛同の意を表して。 第9位:『トップガン マーヴェリック』 "1の長めのラブロマンス要素なんかをシェイプして全身エンタメマシーンに仕上げ切った「パイロット版ミッション:インポッシブル」は、数多の「今さらトップガン⁈(苦笑)」を正面からブッ飛ばしてまさかの全世界逆転優勝!!!!シネマサイボーグ・トム・クルーズの生き様を眼球に叩きつけろ!!!" 「36年ぶりの続編」って聞いて誰しも「もうオリジナルから時間経ち過ぎだから違うタイトルでも良いんじゃないの?」と割と冷ややかに受け止めた印象だったんですけど、まずはちゃんとトップガンだった!ってことに泣いてる人が多数いるということの凄さね。それはもちろんトム・クルーズがなぜかまだ現役の甘いマスクのまんまで、あの時よりも動きまくれるからってことな訳ですが、それがベースラインとしてあることがまずは本当に凄い。こんな俳優いる??笑 『ロッキー』の正統な続編である『クリード』でスタローンがトレーナーに回ったことで、新しい世代に対しての敬意も感じたし、アレはアレで古参のロッキーファン達は静かに泣いたってのに、トム・クルーズは「いや!主役はまた俺がやっから!!」とばかりに先頭に立って体張ってて、若手俳優逆にドン引きみたいな構図でしょ?笑 もう、色々おかしいけど、そこがヤベェ!!スゲェ!!ってまずはなるわなー。 第1作の監督トニー・スコットが亡くなってもなお、この続編を完成させるってことに執念で立ち向かったトム・クルーズには本当に頭が下がるよねー(本当に執念としか言いようがない、その全貌が詳細に記されたパンフのプロダクションノートは目頭が熱くなります!) 「王道の画力(えぢから)と音楽でしっかり泣かす」っていう、ザ・ハリウッド映画を目指す→じゃあ、ジェリー・ブラッカイマーだろう!ということがきちんとプラスに働いたって事と、ここ最近の『ミッション:インポッシブル」も手掛ける、今のトムのパートナーとも言えるクリストファー・マッカリーも参加したことで、現在地のトム・クルーズの良さを引き出すことにも成功していて、色々バランスが良かったのが勝因だろうな。つまり、懐かしい!で始まって、新しい!で終わる最高のシナリオってことね。だから新旧のファンが認めたってことなんだから、もう言うことないよね。 「昔の映画」でもしっかり「新しくて面白い映画」に出来るんだということを証明した一級品。 「ということは1を見なくても楽しめるの?」となるとこですが、やはりグースとマーヴェリックの友情とその息子ルースター(『セッション』のマイルズ・テラー!よく演ってた!)の複雑な関係性を知るために見とくべきだし、何と言ってもアイスマンを演じたヴァル・キルマーとのシーンは涙なしには見れません!やっぱり1の予習はマスト。 ちなみに1では名前しか出て来なかったペニー役のジェニファー・コネリーが思ったよりも邪魔じゃなかったですよ笑 まぁ、女性教官チャーリー=ケリー・マクギリスが全く出てこないのどうなんだ問題は置いといて笑、とにかく全ての面でエンタメ映画現状ぶっちぎりトップ(名は体を表す)。映画ファンとして観ないとかそういう選択肢は無いでしょう。 ただただ面白かった!!! 第8位:『サマーフィルムにのって』 "文化祭&映画部+恋愛ってベタな要素に大林的SFをねじ込んで時代劇でオトすっていう荒技を見事にやり遂げている映画愛に溢れた凄くいい映画!!ラストは思わず落涙。観て絶対損なし!!" まぁ、たまに恥ずかしくなるような台詞とかやりとりも確かにあるんだけどもね。これは良い映画なんじゃないすかね。何しろヒロイン3人が凄くいいの! まずは『由宇子の天秤』の河合優実!!この子の今の引っ張りだこっぷりは当然かつ嬉しいし、今作でもしっかり光っておりました。 そして皆が口を揃えて絶賛の伊藤万理華が確かに凄かった! この子が本気出す瞬間、画面が明るくなったように感じたもんな(実際の照明の問題とかではなくね) 元乃木坂46とか言われても「こんな子いたっけ?」となったけど、そんな肩書きすぐに吹っ飛ばせるほど、ちゃんとスクリーンに映える子でした。 最近CMとかにもちょこちょこ出てる祷キララ(何て読むの?と思って調べたらイノリ・キララと読むらしい)も良いんですよねー。キャラクターに合ってて。この子も今後主役でじっくり見たい子。 ダディボーイやった板橋駿谷も最高だったなぁ。 『君は永遠にそいつらより若い』も良かった小日向星一もまた良かった。(小日向文世の御子息なのこの映画見終わった後に調べるまで知らなかった!) あ、それから物語の軸になる未来人、凛太郎役の金子大地もいい!ていうかみんないい笑 似た空気で引き合いに出されがちな『アルプススタンドのはしの方』も良かったけど、俺的にはアルプスのラストはちょっと蛇足に感じた分、こちらのラストは爽快で好きだったなぁ。苦手という意見も超わかる分俺は愛すぜって感じで愛せるやつ。 あと、女子高生3人が映像系の部活動でワチャワチャって構図は漫画からアニメ化、実写映画化までされた「映像研には手を出すな!」に近いテイストと思ってたら、「映像研」の作者大童澄瞳さんが描き下ろしイラストを提供したり、かなり好意的に受け止めていてほっこりしたりだの。 青春とか時代劇とかタイムリープとか何だかめんどくさいなと思って見たら「あれ?泣かされちゃった!」ってやつなんで、期待のハードルを上げすぎに是非ごらんあれ。(もう上げすぎてますけど笑 とりあえずその辺のキーワードだけで中身には一切触れずにおきます) 第7位:『ちょっと思い出しただけ』 "池松壮亮と伊藤沙莉がカップルというだけでもう自動ランクイン!!笑 恋愛が泡のように生まれて風に消えてそっと無くなるまでを静かに紡いだ優しいけど甘くない君と僕の「恋愛」映画" 恋愛映画ではちゃんとあるんだけど、「恋愛」と括弧付きで書きたくなるのはコレはそれぞれの人生そのものを小さく照らしてる映画だから。出演もしてて主題歌も歌ってる尾崎世界観率いるクリープハイプの音楽もラブソングなんだけど「ラブソング」としたくなる感じがあって、恋って当然頬を赤らめてる時間よりも、人間として相手と向き合う時間の方が長い訳だから、一度燃え上がったはずの恋の火が何でどうして消えたのか?っていうのは当人同士にしか絶対にわからないわけです。「相手のここがダメで」とか、「私のここが良くなかったみたいで」とか、言語化は辛うじて出来たとしても、「そんなことで人は別れるのかな」って第三者はやっぱりなるもので、この主人公2人だって素直になればもっといれたんじゃないかと思っちゃうんですよ。でも所詮当人では無いから本当の本当の所はわからないんですね。何かそういう恋をした2人の火が消えいく空気感をかなりの純度で映像に閉じ込めていて、かつその6年間を遡って見せていくことでさらに辛く痛くなってくるっていう、これはちょっとすごいぞと見終わって鳥肌が立ちました。 松井大悟監督もコメントで触れてましたし、こういう話何か最近他に無かった?ってなったあなた。そうです。『花束みたいな恋をした』を思い出す。でもね、違うんだよ。自己の恋愛振り返り映画としては同じ系譜なんだけど、花束の2人のような決定的な終わりはこの2人には無い。そしてタイトルにも現れてるように「恋をした」なんて振り返って言い切ってない。あくまでも「ちょっと思い出しただけ」なんですね。コレすごいタイトルだと思うんですよ。人生でいくつか恋愛したことある人達でこのタイトルにグッとこない人はいないと思う。まだ終わったことをどこかで認めたくないとも、もう完全に終わってしまってることがわかりきってるとも取れる強がりで切ない感情。ぼんやりしてる自分に今の恋人が問いかける「どうしたの?」「いや、ちょっと思い出しただけ」っていう。そのむず痒くて儚い何か。それを思い出すだけでも観る価値はあります。 恋人じゃ無くてもいいんで、今の自分が思いを寄せる人と見て、感想を言い合えたら、かなりいい「恋の踏み絵」になるんじゃないかなぁ。是非。 第6位: 『RRR』 "テ、テ、テンション!!笑笑 圧倒的という言葉以外思いつかない驚異のスーパーウルトラハイパー超絶エンターテインメント映画(まだ足りない)!!!創造神・SSラージャマウリと主演2人の熱量で3時間あっちゅーま!!頭空っぽにして身を委ねよう!!" フルコース料理を食べた後に、デザートもフルコースで出されたような感じっていうのが一番伝わりやすいかもしれない笑よくギャル曽根とかジャイアント白田とかが立ち向かってるカツとか揚げ物全部載せカレーを食べさせられた挙句、ホールケーキが丸ごと出てくるイメージね笑 え、まだあんの?って笑 普通それって食べ切れないんでもう結構ですってなるんだけど、「あれ食べれるじゃん!」って不思議と完食しちゃえるんですね、コレ。こんだけ長くて(3時間!)、それでもリピーター(チョコプラ長田とかね)が続出してるっていうのは、単純に面白いってことに他ならない訳で、じゃあ何がこんなに人を惹きつけるんだってことなんですが、わかりやすく楽しいからってことだと思うんですね。(名作漫画を全巻何回も読み返しちゃうのと似てる) 民衆の目の前の残酷な刑罰中に歌い出したぜ、オイ!だの、ラーマはビームの弟に割と酷いことしてないか?だの、ツッコミどころ満載!というかツッコミどころしか無いとも言えるよね笑 後半ビームがラーマを肩に乗せて走り出した時、声に出して爆笑しちゃったもんね笑 そんなことある?って笑 特筆すべきはみんな大好きナートゥダンスのシーン!!本当に何度でも見たくなる最高のシーンだよな笑(アカデミー主題歌賞おめでとう!!しかしコレ主題歌だったっけ??笑) あ。でも一個言わせてもらうなら、イギリス人のジェニーは本当にいい奴なのか問題はモヤモヤが残るけどね。あの人がもっと頑張れば事態はここまで酷いことにならなかったんじゃねーのかとかね。まぁ、そんなん言い出したら…って話でしかないのでこれぐらいにしときますけど笑 とにかくあの『ムトゥ 踊るマハラジャ』の記録も塗り替えたっていうんだから、インド映画の歴史も変えちゃったってことです。眼福ってよく聞くけどこの映画こそ眼福。目が喜んでたもんね笑 そしてちゃんともう一回見たい!ってなってます笑 過去作『バーフバリ』二部作が到達点だと思いきや。 本当にすごい。参りました!!! 第5位: 『X エックス』 "大好きなA24製作で真っ正面から70年代の夏のテキサスが舞台でエロも満開な上にキモ老夫婦によるヤング皆殺しスラッシャー祭りってさ、どれを取っても好き要素しかねーから何も言うことねーじゃん!!そして何と言ってもミア・ゴスちゃんの美しさよッ!!あー楽しかった!!!" 上記のTwitterでの感想で以上!でもいいな、マジで笑 それぐらい自分内好き要素がしっかり詰め込んであって、かつ、ちゃんと面白いんですよ。それってすごいこと。好き要素は要所要所でしっかりあるけど、映画としては凡庸だなーとか無茶苦茶あるからね!笑 で、柳下毅一郎さん、高橋ヨシキさん、てらさわホークさんていう元映画秘宝組がやってる大好きな映画YouTubeチャンネル「BLACK HOLE」で「X エックス」特集をやった時に思わずメールしちゃって、それを読んでもらえたんですけど、そういうテンションにさせるっていうかね。あー面白かった!面白かったですよね?って誰かに言いたくなるっていう。そういうパワーがあったなーと思うんですね。じゃあ、どこか良かったかって話ですけど、まずはミア・ゴス!!この子の顔ですね。映画ってなんぼストーリーだ、音楽だ、編集だって言っても、結局はキャラクターだし、役者さんだと思うんですよ。役者さんが良くなきゃ、そりゃ見続けるのは苦痛な訳です。その点、ミア・ゴスは顔面力(がんめんりょく)がとにかく強い。そして明かされる極悪老婆パールもミア・ゴスが扮していたという仕掛けとこの作品が3部作のパート1であるという驚愕。いやービックリですよ。(まだ2の『パール』は未見。2は前日譚になるとは言え、そういう意味で言えばスターウォーズのエピソード7は絶賛したけど、8→9と段々評価の下がっていったあのトラウマも思い出すんでそういうことも無いとは言えません笑) 一緒に行った嫁が「謎は謎のままみたいな映画が多いけど、ちゃんと全部伏線回収してくれたしスッキリ」って言ってて確かになーと。ちゃんと次に投げてくれた感はある。 音楽も全部いいし、絶叫フェイスのロレインこと新世代のスクリーム・クイーン、ジェナ・オルテガ嬢も最高でした。 まぁ、柳下さんが仰ってた「A24だからもっとアーティーな映画なのかと思って見ちゃったからラストまで乗り切れなかった」って言うのもわかるんですけどね。A24ってそういうのもやるから。でも結果今回はしっかり70年代アメリカンホラー(特に『悪魔のいけにえ』)をやるぜ!って正面から撮ってくれたのが嬉しいし、本当に楽しかったです。こういうのが見たいんだぜ!(常に) 監督のタイ・ウェストは過去作の『インキーパーズ』とか『サクラメント 死の楽園』も面白かったんで、これからも期待大。まぁ、この『X』シリーズがぶっち切りの代表作になるだろうな。 ちなみに最終作『マキシーン』はモロ80年代!! ↓このビジュアルだけでもう好き笑 第4位:『リコリス・ピザ』 "男女そろってなんかイケてないこの2人がくっついたり離れたりっていうのを延々と見せられるだけのこの映画(笑)、最初から最後までどこを切り取っても完璧!!自分内PTAのマスターピースを完全に更新!!!" 我らがPTAことポール・トーマス・アンダーソンの最新作となれば行かないわけには行かないじゃないすか、末端のジャパンムービーバフ風情には笑(何と言っても一番好きなのは『ブギーナイツ』、次点で『インヒアレント・ヴァイス』) さらに主演があのフィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンで70年代が舞台の恋愛映画ときたら、「もういくっきゃないッ★」(←酩酊かつかなりのハイテンション)わけです。 そして実際に見て案の定ドンピシャですぐに昇天。 実はヤ○チンだったり、ダサ男じゃない一面もあるんだけど、ずっとガキなゲイリー(小太りなとこもいい!)と、結局気になっちゃうお姉さんアラナの強がっちゃうとことか超可愛いじゃないのーーーッ!!ってオネエ口調で言っちゃうぐらい終始本当に可愛くてニヤニヤしながら見ちゃう一本でした。 クーパーにも痺れたけど、三姉妹バンド、ハイムの三女としても有名なアラナ・ハイムちゃんが超超超いい。 顔も美人と言えば美人なんだけど、どちらかと言えば癖のある面白いお顔立ちで(失礼!でも好き!)、そこがスゲ〜ピッタリで可愛いの。 とにかく映画デビューの2人を主役に据えたことで緊張感とか初々しさとかによるマジックが起きてるんだ、実際。そこを計算してのキャスティングだったんだろうな、PTA。流石だよ、本当に。 それに加えて「メイク無し」ルールもあったとか。 確かに1970年代初頭のティーン達はすっぴんだったろうから、それもリアルさに繋がったんだろうな。 ショーン・ペンとかブラッドリー・クーパーとかトム・ウェイツとか凄い人たちをさらっと脇役にしてるとこも手練れのPTAパワー。言わずもがなみんないいんだよねー。 アラナとゲイリーが冒頭に出会うシーンで流れるニーナ・シモンの「July Tree」の美しい旋律に酔いしれて、2人がイチャイチャしたり、喧嘩したり、散々掻き回したあげく、結局惹かれあっちゃうっていう素敵なラストショットで流れるタジ・マハールの「君の明日はもう来ない」でスーパーブチ上がり(快楽)。 うーん、どこまで良くできてるんだろう。 映画には登場しないけど、レコード・チェーン店「リコリス・ピザ」から取られた気の利いたタイトルまで好き要素しかない個人的には2022年に見た映画の中で最も完璧な映画でした。嫌いになる要素が見当たらない笑 なのに4位!笑 その訳はこの後の3本がさらに好き過ぎたから。 さぁ、張り切って参りましょう笑 第3位:『THE FIRST SLAM DUNK』 "アニメの新次元を確実に更新!!原作未読だった人間も虜にした全く新しい奇跡の映像体験!!この没入感は何なんだ!!黙って観ろとしか言えない(笑)" いや、本当に観ろとしか言えない笑 言わずもがな、1990年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始した井上雄彦によるバスケ漫画で、俺も連載当時中高生ぐらいだったんで、読むタイミングもあったんですけど、なぜかスルーしてたんですね、原作の「SLAM DUNK」。 それでも桜木花道が主人公で、安西先生の「諦めたらそこで試合終了です」って言葉が有名だ、ぐらいの浅〜い知識はあったんですけど、まぁ、全くと言っていいぐらい触れずに過ごしてきたわけですよ。(その後の「バガボンド」とか「リアル」の方はちょこちょこ読んだりしてたんだけど…) で、時を経て結婚したら、奥さんが全巻購入してるぐらいのスラダン好きで、井上雄彦の画集も買うぐらいの人だったので、当然この映画も観に行きたいとなりまして、「じゃあ、行ってみっぺ」となったわけですね。 そしたらまぁ、ぶっ飛んだよね!笑 「え?井上雄彦の漫画が超滑らかに動いてんじゃん!」っていう感動が画面からグワーッと押し寄せて来るわけですよ笑 んで、呆然としてる間に終わっちゃったから、奥さんからの解説を聞くわけです笑 ほほぅ、山王工業高校っていうのは桜木達のいる湘北高校の一番のライバルでラスト数巻はその試合の様子が描かれているわけね、なるほど。だから、井上先生の絵がペンの音が出だして描かれて行く冒頭で湘北のみんなが歩いてきた後に階段から降りてくるのが山王ってところでワーーーー!!!ってブチ上がるんだね、知ってる人は。 つまり、山王戦だけでも読んでからもう一回見たら全然違うわけね、わかった! って感じで映画の主人公リョータは原作だとこんな感じだったのかとか復習で山王戦部分だけ漫画読んでからもう一回行ったわけです笑 そしたら、あー!彩子さんはリョータの手にアレを書いてるんだなとか、花道のモゴモゴはああ言ってるんだよな!とか、読んだことで色々補完されてさらに没入出来たんですね。もう、それがうれしい!楽しい!大好き!となって、さらにリョータのサイドストーリーでまた泣いてっていう無限ループなわけです笑(嫁は都合5回行きました笑) 何というか熱血とかスポ根みたいな印象が食わず嫌いに繋がってる人って少なくともスポーツ自体がそうでもない人の中には少なくないと思うんですけど、コレに関してはちょっと本当に次元が違うので、まずは黙って見て欲しいです。その上で好きか嫌いかはあれど、あんまりと言う人も「映像がすごかった」ことに異論はないと思います。 とにかくあっというまなので、一瞬も見逃さないようにお願いいたします笑 10-FEETとThe Birthdayの曲もカッコイイんだ。(秒速でダウンロード) ブルーレイ出たらめちゃくちゃウチでも見る予定笑 でもやっぱり劇場で観れるうちに見て欲しいすねー、未見の方には。本当にヤバイんで。マジで劇薬。 『THE SECOND〜』期待しております、井上雄彦大先生!!!笑 第2位:『ケイコ 目を澄ませて』 " 劇伴の無いことも手伝って映画としての純度の高さが異常!!岸井ゆきのが打ち込むパンチの一つ一つが見る者の人生のボディに深く長くじんわりと効いてくる、これぞ紛れもない大傑作!!!" 三宅唱監督、やはり只者ではないわ!大好きな『君の鳥はうたえる』で新たな才能の出現に歓喜しましたが、さらにネクストレベルに。こりゃ、スゲー。 ケイコの複雑な表情を捉えた、新たな始まりを告げる静かなエンドロールで静かに泣きました。(『君の鳥〜』でも石橋静河のアップで終わるんだったよな) まず渋谷に1人で見に行って、その後、youngas2人でSOGAWAとも行ったんですけど、2回観てもちゃんと2回がっつり打ちのめされました。 SOGAWAは「(見てすぐだと)言語化できない。良いのは良いのだけど、良い悪いとかも言えない」としきりに言ってました。それすごくわかる。感動的だったり、絶望的だったりする決定的な出来事が物語上あるわけでもないので(もちろんボクシングジムがどうなるかとかラストの試合の決着など、それがケイコの人生に及ぼすものはとてつもなく大きいのだけど)、「アレ?コレで終わっちゃうの??」という感覚は俺にも確かにありました。 でもそれは三宅監督も意図してのこと。 「日常では見逃してしまうかもしれないごく小さな心の波や、どんな言葉にもできない何か」を感じ取ってもらいたいという計算された展開とラスト。なるほど。じゃあ、大成功です、監督。 だからこの映画にはそんなドラマ的な事件も無ければ、仰々しい音楽も無い。 字の如く「静かに」ケイコの心の中に思いを寄せながら、観客も「目を澄ませて」見るわけだ。 とにかく何度でも言うが、岸井ゆきのは凄い。 コレで日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲ったらしいけど、そんなの当たり前だ。聴覚障害のボクサーだから基本一言も発さない役でここまで存在と演技力で見る者の心を掴んでねじ伏せてしまうって上手いとかそういう話でも無いよね笑 もう異星人レベルですよ、この人の演技は。 ここんとこ何やっても上手いなぁと思い続けて見てきたけど、ちょっとその領域から出ちゃったなと思うほどです。今の日本の女優の中でも桁違いじゃないですかね。 本当に凄い。そろそろ世界に出て勝負して欲しいと心から思います。 そして大好きな三浦友和もまたいい。優しいジムの会長役。 会長がケイコを見守る視線の温かさ。上手いなぁ。 奥さん役の仙道敦子もぴったりで、ジムのトレーナー2人(三浦誠己と松浦慎一郎)も素晴らしい。 弟役の佐藤緋美もいいんだよねぇ。弟の彼女役の子も優しくて可愛い。(結局全員いい) ということはケイコを取り巻く世界は限りなく優しい。 ケイコはこの映画の中で精神的に傷ついたりしていない様に見える。 それでもケイコなりに悩み傷つき生きている。 障害があることを悲劇的なドラマにしないことで、ケイコが「普通に」生きていくことにもがきつまづきながら懸命にサバイブしていることがより鮮明に浮かび上がる。 エンドロールで変わりゆく東京の下町の風景が映し出された時、きっと見る者の人生もそこに映っている。 自分の人生にも目を澄ませながら生きなければ。 そんな小さな勇気をくれる静かですごい映画だ。 人生オールタイムベスト級の一本。 第1位:『NOPE』 "俺が映画館で映画を観ることの模範解答のような映画。ワクワクとドキドキとゲゲ〜ッとオエーーーとイェーイッが全部詰まってる!!!絶対大音量と大画面で見なきゃNOPE" …というわけで、問答無用の一位ってやつです笑 実際、好きな映画だったら『ケイコ〜』には全然及ばないんだけど笑、もうこんな特大の人喰い飛行物体(以下NOPEちゃん【©︎高橋ヨシキ】)に出会っちゃったら、文句なしに一位なんですわ笑 これもyoungas2人で行ったのですが(仲良しおじさん)、SOGAWAの第一声は「コレオモロイか?笑」でした笑 でもね、さっきから相方の肩を持つわけじゃないんだけど、それもわからないでもないの笑 それぐらいの振り幅がある映画ではあるんだ、コレ。 全然ダメって人もいるだろうなぁってこと。 映画って全部そうじゃんって言われればそれもそうなんだけど、『THE FIRST SLAM DUNK』でそれ言われたらちょっと納得いかない笑 でも『NOPE』は納得できるんだよね。それでも俺は愛すから笑 それだけ笑 確かに要素が多いんですよ。ゴチャついてる感じはある。猿のシットコムドラマの悲劇とかさ。「アレなんなん?」っていう。 でもそこでの生き残りの彼がその運命を信じてNOPEちゃんと交信するっていう話になったり、緩やかに繋がってるんですね。電気屋の彼とか伝説のカメラマンも巻き込んでNOPEちゃんと対決するラストとか、エヴァとAKIRAの要素も入ってくる笑 全体的に「なんなん?」ってなるんだけど、超楽しいんですけど!!って感じで目が離せないの!! だから途中で話の馬から落馬したなら、もうついてけません笑 それでも馬にしがみついてたら、あの奇跡のエンディングで満面の笑顔でサムズアップ出来るんで、振り落とされないように頑張ってください笑 あ。でもこれ今さらですけど、映画館(できたらIMAX)で観なきゃ「なんじゃこりゃ」にほぼなるに決まってるんであしからず笑 デカイ画面とデカイ音で見るために作ったんだからそりゃそうだ笑 とにかく最高。このあとジョーダン・ピールがどんなに駄作を作ろうと『NOPE』撮った人だから、一生信頼して映画館に観に行きます。 というわけで2022年の結果は以下の通り。 1位:『NOPE』 2位:『ケイコ 目を澄ませて』 3位:『THE FIRST SLAM DUNK』 4位:『リコリス・ピザ』 5位:『X エックス』 6位:『RRR』 7位:『ちょっと思い出しただけ』 8位:『サマーフィルムにのって』 9位:『トップガン マーヴェリック』 10位:『ドント・ウォーリー・ダーリン』 2023年もいい映画と出会えますように❤︎ どうか皆様お元気で!! youngas SHINODA #
by youngas
| 2023-03-14 11:45
| 俺アワード
2022年 02月 14日
この一年のベスト作品を各部門別に勝手に発表する毎年恒例俺アワード!!! 今回でなんと俺アワ13年目!!!! 血に塗れた13という数字が似合うよねぇ〜!言うよねぇ〜!(はるな愛のガサガサの声で) しのちゃん(だけは)やめへんでー!! 地道にまたまだ続けて参ります❤︎ というか、2020の発表はまさかの4月だったからそれは待たせ過ぎだよなと反省して、2月発表(しかもバレンタイン)で頑張りました!そのため適当で粗削りな表現多発かもしれません。(←いつもそうだとも言う) 許してちょんまげ!! ちなみにyoungasとか言いながらシノダしか更新してないし、解散したん?と思ってる方々もいるかもですけど、2021年も2人で映画見たり、ウチに遊びに来たり、普通に仲良しなんでご心配なく!あいつ(SOGAWA)が俺アワに、というか映画の感想書くのに飽きたってだけの話!!笑笑 というわけでさっさと一人で始めますか、今回も!! ちなみに2021年にシノダが見たものなので発表やリリースが2021年じゃないものもありまーす! 【注意】わりとネタバレありで話しますんで、観てないタイトル出てきたら完全ネタバレしたくない人は飛ばしてねん❤︎ ※今年も映画のみ!メンゴ!※ この歳にして絶賛新婚生活中ってのもあって、「今年はそんなに観れないかもなー」なんて勝手に思ってましたけども、割と観れた!そして嫁と観た映画も多数。劇場にもきちんと行ったりして、オールタイムベスト級の素晴らしい映画ともポツポツ出会うことができました!ランキングに関していうとここ数年で一番悩んだかも。どれが1位でもいいぐらいの好きな映画が多くて難しかったなぁ。まぁ、最終、今の気分(2022年2月現在)なんで、来月には変わってるかも。いや、それいつもか! 第10位『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』 "「死ぬ暇などない」ってタイトルに観た人全員異議ありなクレイグボンド歳末総決算大感謝祭!!ほとんど禁じ手でやってきたんだからラストもNOT007でいいじゃんいいじゃん!!" 2006年から15年間もダニエル・クレイグがボンドだったわけだからさ! いや、わかるんだよ!それでも違うと言いたい気持ち!笑 "ボンドらしからぬ"を次々とやることでアップデートと旧ボンドからの脱却を図ったと言えば聞こえはいいけど、結局、今の時代にボンドをやるならこうするしかなかった=苦肉のアプローチってとこもやたらと目につく5部作(結果的に)ではあったからね。で、「ココはいい!」ってとこと、「やっぱりココはどう考えてもボンドである意味が無いのでは?」ってとこが常にせめぎ合ってた15年間だったというかさ。でもね。今心から言えるのはダニエル・クレイグ本当にお疲れ様ってこと!ヴェスパーとの悲恋がきっかけでわりとずっとウエットで恋愛至上主義だったけど、滅法強い新ボンド像を演じ切ってくれたこと、映画ファンとしてありがとうと言うしかないわけです! ラストのラストで「そう落とし前をつけるのか!」って正直驚き過ぎて鼻水出ましたけど、観終わってゆっくり咀嚼していくと「まぁ、そうするしかないよね?」に辿り着きました笑 『アルマゲドン』みたいな終わり方!こんな気持ちをボンド映画で味わうことになるなんてね笑 でも実際、ボンド=クレイグってことしか知らない世代というのも当然沢山いるわけで、そういう人達からしたら、あの終わりは大号泣の大団円だったってことなのかもしれないから、クレイグがやっとボンドとさよならを言えた"色んな意味でハッピーエンド"って言い切っていいのかもしれません。 肝心な中身にほぼ触れてませんが、絶対言っておきたいのはほとんどの観た人の感想で登場するであろうパロマちゃん(アナ・デ・アルマス)の可愛さ!!もうコレに尽きると言っても大袈裟じゃないぐらい笑 詰め込み過ぎな163分、体感は4時間ていうなかなかの苦行の中で笑、彼女の存在は重要でしたねー。可愛くてカッコいい!そして絶対パロマだけで何かを撮ろうとしてる感!笑 ボンドユニバースのスピンオフなんてめんどくさいことにせず、公式に次のボンド役彼女でいいんじゃない?笑 恒例のエンドロールで「James Bond will Return=ジェームズ・ボンドは帰ってくる」ってテロップ、今回もちゃんと出てたしね。 『スペクター』でちゃんと終わっていたのに作ってしまった「あまりにも感傷的な大蛇足」だけど、嫌いになんかなれません!笑 ていうか、やっぱ好っきゃねん!! まぁ、過去4作見ずにコレ見せられたらマジで意味わかんな過ぎるんで『ノータイム〜』見るなら全部ちゃんと見とく必要ありだとは思うけど見て損はない…いや、映画って損とか得とかじゃないじゃん!笑 きっとラストまで観れば半分の人は今の俺ぐらいのテンションにはなると思いますよ!笑(リアルにノータイムな人にはお勧めしません笑) 第9位『モンタナの目撃者』 "傑作『ボーダーライン』シリーズの脚本で名を挙げて、監督・脚本を手掛けた『ウインド・リバー』で映画ファンを唸らせたテイラー・シェリダン待望の最新作はアンジー主演で山火事と暗殺者から子供救出って面白くないわけない要素詰め込み過ぎの秀作!!" youngas二人で観てきたんですけどね。いやー面白かった!!何か素直に「面白かった!」って言いたいけど、あそことかあそことかあるからあんまり言い切れないかな…。いや、よくよく考えたら面白かったか?なんて映画が多い中で、こんなにシンプルに面白かった!!って言えるって素敵やんと思う訳です。youngas二人揃って「面白かった!」って笑い合っちゃったもんな笑 超おじさん二人なのに!!笑笑 秘密を握ってしまった子供を大人が守る系の話って映画ではよくあるシチュエーションなんだけど、追っかけてくる暗殺者二人が曲者でスゲーいいの。(最初のとある家の前での車のシーンのクールさ最高!一人はみんな大好き『マッドマックス 怒りのデスロード』のニュークスことニコラス・ホルト!) そこに山火事まで迫ってきて逃げ場なしってとこまで追い詰められまくるんだけど、そこは脚本家として名を挙げた人だから、超いい感じに話を繋げてくれる。お手の物って感じであくまでスマートに。 そして何よりもいまだ色褪せないアンジェリーナ・ジョリーが醸し出す"最強の女"としての存在感ね!やっぱり凄いのなアンジーって。 森林消防隊員として山火事で過去に子供達を救えなかったってトラウマを抱えてるって設定だから、弱い一面も見せながら、それでも"全然強い女"ってアンジー以外考えられないキャスティング。 でも切り抜け方が森林消防隊員としての経験値やノウハウを活かしてというよりは、「力業なんかい!」というツッコミはあえてさせてもらいますけど笑(同様意見多数の模様笑) テイラー・シェリダン作品の特徴とも言える大自然の猛威ってとこが今回も見所でっせ!どっちに殺されても嫌じゃー!って思いながらアンジーと森の中を逃げまわってください! こういう映画を友達とサクッと観に行って面白かったねーなんてニコニコ帰るってそれこそ映画の醍醐味だよなぁという感じ。未見の方、テイラー・シェリダン縛りで過去作含め是非ご覧ください!! 第8位『すばらしき世界』 "三上はダメ人間なのか?いや、こんな世界だからダメに映るのだ。決して"すばらしくない世界"に生きる不器用過ぎる男に向けた優しき人間讃歌。西川美和凄い。役所広司凄い。" 西川美和作品て何が凄いって毎回ズシンとくる、この余韻なんだよな。映画観たーってちゃんと思わせてくれるって言うの? 劇場で観ればそれは何でも映画かって言われたら俺はそうは思わないんですよ。映画じゃなきゃ語れないことをちゃんとやってる"映画たる映画"って言うのかな? 元の演劇の方がよかったね、とか、文章で読んだ方が逆にイメージ膨らんでたな、とか、そこそこ、いや、結構あるんですよね。 西川美和は劇場に人が来て2時間なり、そこで集中して観るってことをきちんと考えてる映画作家だと思うんですよ。 加藤浩次じゃないけどそれ「当たり前じゃねーからな」!! 特に原作ものばっかり映画化してる今の日本映画に対して1からオリジナル脚本で作り続けてるってことがその姿勢を物語ってるよね。言いたいことがちゃんとあるっていうかさ。だから毎回絶対にお土産=強烈な余韻をくれる。『ゆれる』にしても『ディアドクター』にしても。そしてこれ。 オリジナル脚本でやってきた人が初の原作ありで挑んだのが佐木隆三(「身分帳」)ってのがまたナイスチョイスなんだよなぁ。佐木隆三って「復讐するは我にあり」が有名なノンフィクションの人なんだよね。夢中になって読んで映画化したいってすぐなったらしいんだけど、結局取材に3年も費やしたらしく、やっぱり何かを伝えるってことに対して誠実であり続ける人なんだなぁと出来上がりを観て改めて唸らされた次第です。 そして何と言っても役所広司。凄いなぁ、この人は。いるだけで「スクリーンをもたせる」数少ない役者にどんどんなってる。中途半端な刺青とランニングで窓の外を眺めるカットは番宣とかにも使われてるけど、この映画そのものを象徴する名シーンだよね。思い出しても泣けてくる。 あとは仲野太賀!いい役者になってきたなぁってつくづく感じたね。この人が泣くところできちんと観客も泣ける。それって凄いと思う。 ま、長澤まさみは今回何か別にいらない気もしたけど笑 (誰かの感想で「この映画でまともなこと言ってるのは長澤まさみだけ」ってのおもろかったな笑 言われてみればそうか笑) 出所したてのヤクザが世間から相手にされなくて、それでも必死に生きていこうとするってさ、フランケンシュタインみたいな、今さらな古臭い話だとも言えるんだけど、それを2021年に響かせるってとこに強い意義を感じたな。 三上があの日見た空を俺たちは探してるんだな、と。 第7位『佐々木、イン、マイマイン』 "「こんな奴いたなぁ」と青春時代の水風船が割れまくって後半目から水止まらず!台詞もテンポも撮り方もいちいち好み!あいつ何してるかなぁって今でも時々出てきちゃう全てのあいつインマイマインな人へ。" 前も似たようなこと書いたかもしれませんけど、はっきりと好きと嫌いで分かれる映画ってのが俺は好きなんですよね。だから自分が猛烈に愛してる映画を「アレ嫌いなんだよね」って友達とかに言われても別にいいっていうか。映画って好きでも嫌いでもないってジャッジが一番悲しいと思うんだよ!笑 それはどんなアートにも言えることだけど、せめて嫌いになってやってくれ!っていう笑 嫌いっていう映画、俺も当然めちゃくちゃあるけど、嫌いってわざわざ発言したくなるってことはそれを言わせるパワーがあるとも言える。だから好きでも嫌いでもどっちでもなかったって映画は結局残らないんですよね、記憶に。 この『佐々木』はこりゃあ嫌いな人は嫌いだろうとすぐに感じだけど、俺は好きだぜ!!ってめっちゃなったんすよね。つまり俺映画。 じゃあどこが好きだったか。まずタイトルにもなってる佐々木ね。あいつウザいでしょ?笑 誰かが感想で「佐々木がカリスマみたいな扱い受けてるのがよくわからない」って言ってたんだけど、あいつカリスマじゃねえから!笑 クラスにいたじゃん、ああいうお調子者!盛り上げると裸になるやつ!そういう奴って別にみんなにカリスマと思われてるわけじゃないんですよ。裏を返せばイジメともとれるかもしれないんだけど、こっちにはそこまでの悪意は無いし、何よりそいつが調子こいて自発的にやってるんだから、こちら側の責任は一切ないっていうかさ笑 ソレってすごいズルイかもしれないけど、ああいう佐々木みたいな奴は暇な学校生活で重宝される訳ですよ。そして大概女子はほとんど嫌いだし、先生もめんどくさい奴って思ってる。で、佐々木みたいな奴は大体家が貧乏で家庭環境も劣悪。偏見だけど。 この映画の佐々木もまさにそれでした。そういうあの日のお調子者の悲哀と燻(くすぶ)ってる今の自分が交差するていう俺が好きな青春映画的要素詰まりまくり感がどんよりと画面を覆っててそれがドンピシャで大好きだったんです!(キラキラとずっとしてる青春映画はあまり好きじゃないし、俺からしたら青春映画とは呼ばないし呼びたくない) そして燻ってる自分=石井悠二役をやった藤原季節!いいね!どんどんいい役者になってくな、仲野太賀よろしく。 別れかけの彼女ユキ役の萩原みのりも絶妙!いいなーと思ってたら『佐々木』の内山監督と結婚のニュース飛び込んできてマジびっくりでしたけど笑 あとは何と言っても佐々木役の細川岳!!内山監督と共同脚本も手掛けてるだけあって、佐々木って奴を全部理解した上で体現してるから、画面から飛び出してくるぐらい完全な佐々木だったなぁ。カラオケのシーンはなぜか泣けました。 快晴の青空ではなく曇天の中でダメな奴らがもがいてるってのが正しい青春映画だと思ってる人は絶対見た方がいいです。真っ正面からぶっ刺さるはず。 そう言えば、あいつ何してるかなぁ。 第6位『花束みたいな恋をした』 "過度にサブカルで繋がってしまったカップルが辿る「あんたいつまでそんなの観てんの?」な終焉に自分重ね過ぎて吐きそうだったけど超堪能!!言いたいことはもちろんあるけどちゃんと響いたしちゃんと泣けたから全て良し!!" 最初のイヤホンの右と左の出る音について新しい恋人にウンチク言ってるやつとか、押井守で繋がる始まりとか、わりと耐え難いムズムズする描写はしこたまあって、コレを「全然入れなかった」って言う人がいるのは理解できます。いや、むしろめちゃくちゃわかる。特にあの序盤で『ショーシャンクの空に』をマニアックと評した社会人の男を二人で嘲笑するくだりとか、「いや、あのさぁ、お前らのセンスだってすげー一般的だぞ」って胸ぐら掴んで言いたくなるよね笑(柳下毅一郎さんが言ってた「社会人の女の方が「実写版魔女の宅急便見た」って言ってたけど、そっちの方がよっぽどマニアックだからな」っての笑ったなー) 本当に取り返しつかないぐらいサブカルに浸かってきた俺とかみたいな人種はもはやサブカルマウントすらしないし、そんなことに興味はとっくにないんだけど、逆に調子乗ってやってるヤングに対しては過剰な程に腹立つし、正したくなるって言うね笑 特に菅田くんと架純ちゃんていうルックスも満点な2人にやられたら最上級の嫌悪感が湧くって人が出てくるのもわかるっていう笑 それでもこの映画が「良かった」ってなるのは本来単なる記号であるポップカルチャー的なモノを通して自分達は運命で繋がっているのだと勘違いしてしまった男女の「恋愛という名の残酷物語」がこれでもかってくらい真っ正面から描かれてるからなんだよな。つまり、恋愛をちゃんとしてきた人ほど見に覚えがあり過ぎて「いてててててて」ってなるってことね笑 始まりがあれば終わりがあるってのは、こと恋愛に関しては絶対的なわけです。終わらない恋愛はない!!だから、その数ヶ月でも数年でもポッと燃えてやがて消えてく、あのはかなくも美しい時間を二人を通して思い出してしまった!ってのが多くの人々が刺さった理由で。 そして多くの人が口にするであろうラスト近くのファミレスの別れ話のシーン。あの若いカップルと自分達の今を重ねて「もうダメだ」ってなるのわかるわー。ああいう時を経て今なのに、「あの時の自分達にはもう戻れない」=「別れるしかない」っていう決定打になってしまうってすごい皮肉だけど、スーパー恋愛あるあるだよなーと。 要するにごく一般的な嗜好を"特別な何か"だと思い込んでいた二人が時間をかけて覚めていき、片方が「お前まだそんなん見てんの?」になるまでを描いた、痛い痛いラブストーリーとして、特にあらゆるカルチャーを貪欲に全身で浴びていた20代の時の自分に照らし合わせて沢山の人がドスーンってなるであろう傑作だと思います。(先に覚めるのが男子っていうのが今風であるとも言える) 最後の最後で優しい仕掛けを用意してしっかりと涙腺を崩壊させてくることも忘れない坂元裕二ってやっぱり只者じゃないな。 日本中のかつての麦くんと絹ちゃんへ。 そんな消えていった幾つもの痛い恋愛に対して贈られた花束みたいな映画でした。合掌。 (追伸、最近の日本映画ラブストーリーものに「沼のような○年間」みたいな嫌なフレーズを残した功罪もデカイぞ花束よ!笑) 第5位『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』 "やっぱり信頼できるなぁ、ジェームス・ガンって男は!!POPとグロの配合バランスは世界最高峰な人なんでこれぐらいやってくれたらもう満足満足満足!!" 単純に面白い。以上。って感じ笑 いや、面白かったなぁー、マジで。 1作目(と、呼ぶかも知らんぐらい歴史的にも抹消されつつあるデヴィッド・エアー監督のダメダメな前作)との振り幅も大いにあんのかも知れませんけど、最初っから最後まで面白い!楽しい!嬉しい!大好き!ってなりました。ラストに対しては言いたいことありですけど……まぁ、それは後述します。 というか、こんなくだらない映画(褒め言葉)に1億8500万ドル(約204億円)もかけてるってどうかしてるでしょ?笑 宣伝費も1億ドル(約110億円)かけてるから、結果300億円かけてコレ作ってるってさぁ〜(遠い目)笑 最高かよ!!! 『特攻大作戦』と『戦略大作戦』をベースに、スピの狂気が迸る『プライベート・ライアン』オマージュのばっちりイカしたオープニングから魂掴まれまくりで、タイトル出てきた時点で、すでにイッちゃう客多数笑 スーパー馬鹿だけど超POPでウルトラグロイってさ。もう、好物過ぎて鼻血出そうだったよね、正直。 こういうのが観たくて映画観てんだよ、俺たちは。 で、ちゃんとエアー版との決定的な違いとして、スクワッドが悪くてしょうもない奴らってのがわかる。(エアー版は悪人どもというよりも可哀想な人達って感じが強かった) ハーレイクインちゃんはもちろん、キャラがみんないいんだ。 ラットキャッチャー2(ゆとり世代のヴィラン笑 影の主役とも言えるわな)もポルカドットマン(水玉の陰キャ笑こいつ好き!)もキングシャーク(こいつ可愛すぎ!スタローンが声ってのも最高!)もそれぞれのバックストーリーが良くて、ちゃんと愛せるんですよ、全員を。 そこだろうなー、みんなが好きな理由と1との違いは。 ただね、やっぱり言っておきたいのは2つ。 まずハーレイクインの扱いね。彼女を特別な位置づけにしたいのはわかるんだけど、何ともやっぱりチームに入れると浮いちゃうんだよね。単体の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』とかはすごく良かったんだけど…まぁ、アレもチームではあるけどリーダーだから目立ってよし…血が花びらになる名シーンも「どうハーレイクインを目立たせてやるかってことを考えて作った」であろうことが際立って見えちゃってみんなほど入り込めなかったんだよなぁ。元々の性格が子供みたいな純粋悪と暴力性が交差してるキャラだから、流れで殺人部隊に入っても、あれぐらいちゃんとやってくれる娘ではあるんだけど、それなら極端な話、ハーレイクインを無理矢理出さなくてもいいのでは?とも思っちゃいましたね。(マーゴット・ロビー自身もこの作品完成直後に「今の私にはちょっとハーレイを休憩する時間が必要かな」とインタビューで語ってる) あと、ずっと言ってるラスト。 コルト・マルテーゼ島の市民達をスターロから救うためにみんなで力を合わせて闘ってしまうってのはなんぼなんでもヒーロー然とし過ぎてると言うのか、そこは「俺たちゃヴィランだぜ人なんか救ってやるもんか」で行って欲しいわけです。知らん間に救ってしまっていたわけではなくて明らかに力を合わせて人々を救ってしまう。「ヴィランというより全員死刑囚のはみ出し者なんだから…」っていう意見もあるんだけど、そこはね。極悪党ですから笑 最後まで私利私欲のためにしか何もやりませんってスタンスでいて欲しかったというかね。それこそ1と一緒のヒーロー映画的大団円をここでもやっちゃうのかーってなったんですね。どんなオチでもいいけど、正義に目覚めちゃうってのだけは勘弁してって感じでした。まぁ、俺が昔から仮面ライダー見てもショッカーとかデストロンをカッコイイと思っちゃうし、スターウォーズも帝国軍カッコイイってなっちゃう子供だったから、フィクションにおいて俄然悪の方側を応援しちゃうタイプのせいってのはあると思います笑 それでもまぁ、よくぞここまで破茶滅茶なストーリーをグロとバイオレンスも絶妙に放り込んでまとめてくれたなぁっていう感心の溜息はエンドロール観ながら劇場で漏れました。 (ウィーゼルのキモさがもう!!あいつだけで何か作って!!) やっぱりジェームス・ガン。マーベルからDCへ綱渡りしてもトロマ魂は死なず!!この人が裏切ることはもうたぶん無いです、ハイ。参った!! (ちなみに件のデヴィッド・エアーが次回手掛けるのは『特攻大作戦』の現代版リメイクってことなんでそれはそれで超楽しみなんだけどね笑) 第4位『街の上で』 "超面白いじゃん!! 『愛がなんだ』ナカハラも最高だった若葉竜也演じる青くんのエグい愛らしさ!そして取り巻く女子達の眩しくて目を覆いたくなるほどのキラキラ!今泉力哉監督またしても最高傑作を更新!!" 基本ダメな人達の恋愛模様を自然な台詞と独特なテンポでオフビートに撮り続ける鬼才・今泉力哉ですが、驚いたね、こりゃ。『愛がなんだ』で到達点と思いきや、また更新しちゃったよ。それも軽々と笑 個人的には『サッドティー』(2014)がDVDでも持ってるぐらい一番大好きなんですが、『街の上で』は同じぐらい、いや、それ以上に傑作だと思ったなー。 マジで面白い。いや、むしろつまらないところが見当たらない笑 コレ観てつまんなかったって人と果たして付き合っていけるだろうかとすら思いましたよ笑 いや、別に今泉監督から何ももらってないよ?笑 では何がそんなに心揺さぶったのか? まず若葉竜也演じる青くんの普通さ笑 若葉竜也ってイケメンなんだけど、普通なんだよな、めちゃくちゃ。本当にその辺にいそう笑 若葉竜也のそういうとこに今泉監督はたぶん早くから気付いてて、この「普通すぎて普通じゃない」青くんてキャラを当て書きしたんじゃないかなぁと思うんですね。それぐらい若葉竜也じゃなきゃダメな役だった。で、友情出演で登場の成田凌も最高。『愛がなんだ』を観てる人達は悶絶のキャスティングでしたね。 そして取り巻く女子達。 何しろイハちゃん=中田青渚でしょう!!Twitterにも書いたけど青とお家で話す長回しにはシビれたし、すぐ恋に落ちた!!笑 その前の撮影で使ってたとはいえ、いきなり夜、家に上げてくれるとことか、「え?え?これなんなん?何かあるん?」って男全員に思わせて何もない感じのリアルさね笑 『佐々木』でも名演を見せた萩原みのりの美大の映画監督、町子もいいよねぇ〜。ああいうすぐイライラ出しちゃう子ってマジでいるし、助監督のやつと付き合ったり別れたり繰り返してるってのもリアル笑 青との着替えの受け取りを握手だと思っちゃうアタフタも最高だったよね?笑 うわっ気まずッっていう笑 ああいうのずーっと上手いよなぁ、今泉力哉って。 古川琴音演じる古書店員の冬子との関係も絶妙だったなー。 青が図らずも意識させちゃうっていうのもすごいわかるっていうかさ。母性本能くすぐりまくられんだろうな。 で、元カノの穂志もえか演じる雪ね。ああいう天性のビッチってのがいるのよ、マジで。んで、だいたい泣いてるのは青みたいな普通のやつ笑 今回成田凌も泣かされるわけですけど笑 青くんはもちろん、4人の女子がそれぞれマジで実在感がエグくて、女子あるある並べて作ったのかなーってぐらいでした。それがもう本当に楽しかった。 去年『音楽』でも絶賛した大橋裕之が脚本に加わってるのもデカイと思います。今泉力哉だけでも凄いのにさらに切れ味増してました。 あと、下北沢が舞台っていうのも大きかったなぁ。 変容する下北沢を舞台に…って依頼だったのもあって、工事中の下北沢とかがいっぱい見切れてて、下北沢が青春の街の一つだった自分としては感傷的な感触もちゃんとあったな。 とにかくみんな揃う後半のあそこ!!マジで腹抱えて笑った笑笑 「ていうかお前誰だよ!」笑笑 というわけで、日本映画の新次元、まだまだ今泉力哉が塗り替えることを証明した超超面白い日本映画!!!! ジャケットがシュッとしてるから、オシャレ映画と間違えてスルーはあまりにももったいない!!! こんな時代だからこそこういうの観る時間、大切じゃねーかなぁ。笑ってキュンとして最後はホロッ。完璧。是非。 第3位『アメリカン・ユートピア』 "ライブ不足な俺たちをびたびたに満たす最高なライブ映画!![スパイク・リーが撮るデイヴィッド・バーン]という贅沢な組み合わせをスクリーンで直に浴びる、一曲も知らなくても大丈夫な至福の107分!!!" 語彙力なんて元々無いけど、今まで以上にシンプルに一言、「音楽の力」ってことですね、結論。もうこれに関してはそれを受け取って帰るってことだけでいいと言うか。 特にここ数年コロナントカってやつのせいで毎日にライブが足りないじゃないすか?しれーっとZeppもスタジオコーストもBLITZも無くなっちゃって、前はライブで発散してたモノを溜め込むしかない訳ですよ、現状。だから、ライブでしか得られないパワーとあの高揚感をストレートに受け取れる作品って意味で、単純にそれだけで加点しまくっちゃうってとこはあると思うんですね。 でも、じゃあ全てのライブ映像が年間ランキングで3位に入れたくなるかって言われたら、それは当然NOですよね。 ではどこがそんなに刺さったのか? それはやっぱりデイヴッド・バーンという人の人間力とそれによって集まってきたミュージシャンとパフォーマー達によるパフォーマンスのレベルの高さ!!もうそれがスゲーのなんの!!それを最前列の特等席で堪能できるってこと!!「圧巻」ってこの映像のためにあるよなってぐらい、マジで圧巻。元々すごい作り込まれたブロードウェイの一級エンターテインメントをいまだ第一線で撮り続けてる一流の映画監督が映像化したんだから、そらー凄いに決まってるんだけどさ。こういう体験をしに行くとこなんだよ、映画館は!!って改めて思いました。それがサイコパスが人を殺しまくるスリラーだろうとなんだろうと映画館は"非日常を浴びに行くところ"なんだから、コレを爆音で全身に感じるってことの至福ったらなかったわ。本当に凄かった(そればっかり) ということは、逆に言えば圧倒的に映画館で観るべき作品とも言えます。コレを特にスマホとかでイヤホンで見ても、「ふ〜ん」って思う人沢山いそうだよな。それは勿体ないから、未見の人は映画館で再上映するまで是非待って、映画館での初見を絶対お勧めしたいんだけど、それも難しいと思うから、せめて大きい画面のテレビでヘッドホンとか使って音だけは大きい音で観て欲しいなぁ〜と。 メッセージに関しては色んな受け取り方があると思うんだけど、バーンが訴えたいものが一体何なのか?を、スパイクリーが監督してるって意味も含めて、鑑賞後に語り合ったりするのも素晴らしいと思います。まぁ、そんな難しいことを考えなくてもただただ音楽ってやっぱりスゲーって思うだけでも充分なんですけどね。 ニコニコで可愛いエンドロールも含め、見た瞬間に「ベスト3入り確定」だった映像のユートピア、どうぞ堪能してください!! トーキングヘッズも1から聴きたくなったなー 第2位『由宇子の天秤』 "凄い凄い凄い!!ヤバイヤバイヤバイ!! 自分の正義に揺さぶりをかけられまくる異常な緊迫感!! 本当に守るべきものは何なのか?真実を晒す事に意味はあるのか?その狭間で揺れる心の天秤をほぼ劇伴なしで見続けなくてはならない地獄の152分。今年一番食らった!" 凄い凄い凄い!!ヤバイヤバイヤバイ!! っていうテンションにどうしたってなりましたね、この映画に関しては。 あのエンディングも絶妙な切れ味だったし、見終わってからしばらく動悸が止まらないっていうか笑 とにかくこんな凄い脚本(ほん)はここ数年の邦画の中で俺は知らないですね。 って、散々前振りしといて何なんですけど、ここから物語にも触れながら書いていくので、未見の方、どうか観終わってから読んで頂きたい!!(とはいえ核の部分、ラストのラストの大オチなどには触れません!それは流石に気が引けるので笑) 本当にまっさらか、なんとなくの話だけ知ってる状態で観た方が衝撃は10倍違うと思うので…。 (ここから注意‼︎) なんならポスターのコピー「女子高生自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子が父から明かされた衝撃の真実ー由宇子は究極の選択を迫られる。」はいくらなんでも言い過ぎでしょ⁈とも思うぐらい笑 人間の内面をグリグリといやらしく抉ってくる映画って世界中にも沢山あるけど、この二重構造とアプローチは斬新でしたよね?まず自分が真実を世の中に晒すってことを生業にしているってこと。しかし、それが自分に降りかかって来た時、人はこうなるよねっていう。由宇子の居心地の悪さはまんま自分にも置き換えられる。遠い国の内戦の話じゃなくて隣の家の話な訳だから、「自分にもあり得るぞ」って目線で観続けることになる。父親役の光石研がまたすげーリアルな配役でこの人ならそっちの面もあるなってなる。そして生徒役の河合優美!!この子の実在感がまたエグい!!この子が現れた瞬間にこの映画の刃(ヤイバ)はさらに鋭さを増します!! この二人のリアルさはとても重要。この二人がそう見えるから、「マジかよー!!でもどうやらマジらしい」ってなるじゃないですか? このキワキワのリアル感って実は難しいんすよね。作り物として見えるか見えないかだから。 萌(めい/河合優美)みたいな一見そんなことしない感じの大人しい子ほど…ってとこも突いてるし、結局寂しさが根っこにあるんだなってこともちゃんと描くじゃないですか?あの辺りも上手い。(外国版のポスターにもなった冷蔵庫の前のくだりとかね。【↑上の写真】あそこいいよなぁ〜) そして萌の父親・哲也ね。演じた梅田誠弘って方、存じ上げませんでしたが、この人もやたらとリアルでいいの。いるよなぁって。普段は腰低くてヘラヘラしてるけど、短気で凶暴性も持ってるっていう一番ヤバい奴笑 そこが駅のペデストリアンデッキで遠くで垣間見えるとこの恐ろしさね!ゾワゾワーってなりましたわ。 まぁ、何にせよ、由宇子を演じた瀧内公美!!素晴らしい女優ですねぇ。強さも母性も持ち合わせてて、でも弱さも感じるっていう、無茶苦茶難しい由宇子の天秤を正しく体現してました。彼女が由宇子をやったことで、話の背骨がしっかり出来ていたような気がしました。 このように揃いすぎてる役者陣と話の面白さが混ざり合って、最強の一本に仕上がったんだなぁと改めて感服しました。 由宇子が追いかけてる取材対象も徐々に真相が綻んでくるんだけど、あの辺りも見事。由宇子がそこだけは守り切ろうとしていたものがどんどん崩れて行くことで、何が正義なのか、真実を伝えるということがどういうことなのか、足元がどんどんぐらついてくる。 『岬の兄弟』の和田光沙が自殺した教師の姉役なんだけど、この人が明かす真実こそ震え上がりましたね。(『岬の兄弟』のお兄さん役の松浦祐也も自殺した女子高生の父役で出演!ここを対で出す辺り、ニクいね!) 自殺した教師の母親の部屋も怖かった!あれ、丘みつ子だったんですね。後でパンフ見て気づいて「えー!」ってなりました笑 由宇子は何もかも失いながら満身創痍で最後の決断をくだすわけですけど、あれが正しいことなのかっていうのもわからないし、由宇子なりの正義とも取れるし、赦しを得たかっただけの身勝手な告白にも見える。何かそういう意味で、よく出来てるなぁ〜と感心してからのもう一捻りあるじゃないですか?由宇子が起き上がってラストに何をするかっていう、あそこ。で、静かなエンドロールが流れ出す。もうあそこでブワーッて鳥肌立ったんですよね。「ヤベェ映画見た!!」って興奮がマックス状態。笑 もう全部が完璧でした。152分、マジであっという間!それぐらい参っちゃった! 春本雄二郎監督、特大リスペクト&これからも追いかけさせていただきます!!(SNSでも少し絡んで頂きました。ありがたき幸せ) ……だからコレが2021年ダントツ一位とも言えるんだけど、毎年言ってる"俺映画"のすげー奴がドス〜〜ンッと現れてしまったので…笑 この続きはこのあとすぐ笑 第1位『ビーチ・バム まじめに不真面目』 "今何をしてても気を抜けばため息がこぼれる状況でムーンドッグは誰の目から見ても救世主でしょう!!!(ただの馬鹿とも言う笑) 常に笑ってるって人生において重要なことなんだなぁとか、奥さんへの愛の示し方がバタードッグなとことか学びも多くて全シーン愛せる!!ハーモニー・コリン最高傑作!!!" もうさぁ、ごめん!! コレは問答無用で一位なんすわ!!! だって大好きなハーモニー・コリンの7年振り新作がこれまた大好きなマシュー・マコノヒー主演!ってだけでヨダレダラダラじゃん!!で、内容が伝説の放蕩詩人のロードムービーだもの。好き要素しかないじゃん!笑 実際観たら本当に全シーン大好きでビビりました。 何だよ、この全編ハッピーな映画!!アンハッピーな要素がマジでない!!(奥さんの死こそあれど、それすら不幸と思わない(ようにみえる)ムーンドッグよ!!笑) 『キッズ/KIDS』とか『ガンモ』にあった毒がいい感じに老成により溶解したとこもあるんだろうけど、コリンって元々こういうハッピーな人だろうとはインタビューとか読んでずっと感じてたから、本当にちゃんとこの境地に到達したって感じのいい湯加減なんだよ、全部が。 悪友役がスヌープドッグってのもいいし、名前がランジェリーってのもこりゃまた最高笑 全体的に馬鹿っていうかさ笑 お気楽に生きていくことに対する大肯定がテーマなんだけど、副題にあるようにまじめに不真面目ってことなんだよ。(副題を考えたのはみうらじゅんと町山智浩!!わかってる!!) ただの馬鹿じゃなくて、馬鹿になりきれってことなんだよね。それがわかってなくて馬鹿なだけの奴は見てて不快だけど、イキ切った馬鹿のムーンドッグはカッコ良くも見えるって言うね。劇中に出てくる台詞でもあり、コピーでもある「Fun is a Fucking Gun=楽しんで生きるのは、闘いだ」ってのはつまりそういうこと。ムーンドッグの主張である「人は皆、自分の内面を見つめる余裕がなくなってしまう。人生は山あり谷あり。俺はどんな時も自分に素直に、人生を楽しみたいだけ」ってすごい大切だと思うんだよな。何かそういうシンプルな答えが描かれた映画って実は少ないんだよな。みんな眉間にシワを寄せるような映画ばっかりで。(いや、もちろんそういうのも好きですけどね。『由宇子の天秤』だってもちろんいいんだけども) たまにはこういうデトックス映画も必要だと思います。 何かそれに久しぶりに気づかせてくれた映画という意味で、もう揺るがなく一位でした。 「ムーンドッグは元々金持ちだからあんな生き方ができるんだろ?」っていう随分残念な意見を見かけたけど、ムーンドッグがラストで何をするか、あんたは観たのか?って言いたくなったよ笑 金になんて価値を感じてないじゃん、ムーンドッグは。 それを比喩じゃなく、実際にやるじゃん!!笑 あんな美しくて馬鹿なラストもないよなぁ〜 とにかく俺はものすごく楽な気持ちになりました。 救われたって感じ。是非、毎日が息苦しいと思ってる人は『ビーチ・バム』に逃げ込んで救われて欲しい。 これぞ映画という名の特効薬。 ハーモニー・コリンありがとう!! というわけで2021年の結果は以下の通り。 1位:『ビーチ・バム まじめに不真面目』 2位:『由宇子の天秤』 3位:『アメリカン・ユートピア』 4位:『街の上で』 5位:『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』 6位:『花束みたいな恋をした』 7位:『佐々木、イン、マイマイン』 8位:『すばらしき世界』 9位:『モンタナの目撃者』 10位:『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』 あれ? あれ入ってなくない?? そうです笑 慧眼を持つ私のSNSウォッチャーさん達なら気づいた方もいるかもしれません笑 そうです!! 『ノマドランド』ランク外問題!!笑 色々考えされられたという意味で暫定一位とまでツイートした作品ながら、その思考がグルグルと巡って「あー!めんどくさいぜ!」に辿り着いてしまった故のまさかのランク外!!笑 しかしこれからダラダラと綴るエクスキューズは自分が映画を見る上での大切な指針という自覚もあるため敢えて特別賞という枠に逃げさせて頂きました。 (長々と断りが続きますので読みたくない人は飛ばしてください笑) 特別賞『ノマドランド』 "言葉を失う程の景色の美しさの中だからこそ際立つ貧困の厳しさよ。マクドーマンドがまさに全身全霊で成り切った主人公、ファーンが選んだ"ハウスレスとしての誇り"を通して「生きるということ」にじっくり正面から向き合わされる108分。感動しましたで終わらせちゃ絶対ダメなやつ!" クロエ・ジャオ監督(最新作がマーベルの大作『エターナルズ』)独特の雄大な自然の美しさに見惚れてしまって、話の根源の貧困問題というものへの向き合い方が甘いんじゃないか?という意見。それは絶対にあるし、俺もそう思うとこもある。でも!!ってこと。そういう意見もわかってる上で語らせてもらいますね。 まず、主人公のファーンの様な人達(ノマド)がホームレスと言わずにハウスレスって呼んでる、そのプライドこそが大手企業に良い様に搾取されてるって問題を薄めてしまっているってことは明らかだと思います。でもハウスレスと主張する人達が悪いということではもちろんなく、そういうシステムを産み出した社会そのものが悪いのはどう考えても明らかなわけです。しかもその大手企業が自分も日頃使っている所な訳で、屠畜シーンだらけの映画があったとしてそれに対してかわいそうって泣いたあと、何がかわいそうだったかを焼肉屋で熱弁してるようなもんなわけだから、直面する問題と自分を切り離して語れないということはもちろんあります。つまり映像美は映像美として楽しむということ(実際暮らしてる場所からの景色は本気で美しいだろうし)と、作品の投げかけてる問題を俯瞰でじっくり考えると言うことが必要な作品ではあると思うので、それがノイズになった・楽しくなかった・嫌い・苦手・めんどくさいという人が一定数いる映画ではあるので、そこに関してはこれを褒めたから軽視してるってことではないと言うことはわかって欲しいんです。 そして、ノマドと呼ばれる生き方を肯定も否定もしない姿勢、本物のノマド達の中に女優のマクドーマンドを放って撮影するってやり方はドキュメンタリックだけど、それはそれでどうなんだ?って意見もわかる。結局女優が追体験しても結果一定の金をもらうわけで、そのやり方に覚めてしまった、そもそも本当のノマド達はそれもわかってるからよく思ってないだろう、でも暮らしていくために協力したのだろうって意見。 いや、でもね。映画を撮るってことがどんだけ時間とお金と人をかけてると思ってんだってことなんですよね。 そういう意見を言う人だって、じゃあ実際ノマド達を救うのに何かしたのか?金を送ってあげたのか?って話になっちゃう。映画もアートもそうなんだけど、もちろんもっと言ってやれよ!だとか、もっと踏み込めよ!だとか、そんなことは山ほどあるけど、何もやらないより全然良くないですか?って思いがいつもある。要するにやらないで文句言うなんて猿でもできるわけで、その表現が踏み込んでない、攻めてないとかの前に、我々にこういう人達がいるんだってことを現地まで行って見せてくれた人達の方が2億倍エライってことです。こうして俺みたいに観た後も何かしら考えてるって人がいるってだけですごいわけだから。 ファーンのラストにする決断は「自らハウスレスを選び生きていくこと」となり、それが美談みたいで冗談じゃないって人はいるでしょう。ファーンの考え方を総意とするなと。でも、この映画の着地点としてはそれ以外考えられないと思います。ノマドランドで生きていくこととはそれをアイデンティティとするということなんだと。 この生き方を選んでいない人間には何も語る権利はないんだとも。 世界にまだまだ蔓延る貧困問題に対して、この映画が正しい解答なのかはわかりません。 でもそこで生きている人達を通して、「あなたならどう思う?」「あなたならここで生きる?」って問いを正面から突きつけてくる映画だと俺は強く思いました。 過酷な労働シーンがほとんど描かれないことで「自然の中で生きるのも悪くない」なんて甘い思考を抱かせることがそもそも生温いと思う人がいることも、「ファーンみたいに留まることを選べない人がいる」という意見も充分理解した上で。 こんなに見終わってからも考え続ける映画も2021は他になかったかなと思います。 この感想を見て自分なりにどう思ったか、是非教えて欲しいです。ファーンが何故そこに留まるのか、あなたなりに出した、その意味を。 断トツ一位であり、圏外でもあるこれぞ映画のハウスレス笑 未見の方は是非。 【次点のコーナー】 ベスト10には入らなかったものの、シノダが2021年に愛した映画を一気にご紹介! 主にシノダツイッターから引用した一言寸評付きです。 『行き止まりの世界に生まれて』 人間グッと飲みこんではみたものの結局排泄できない思いが誰しもあるんだな。遠い街の知らない若者達の苦悩も何ら自分と変わらない。そしてそれでも彼らにはスケボーがあるってこと。 行き止まりでもどうにかぶっ壊して前へ。本当に素晴らしいドキュメンタリーだった。 『ベイビーティース』 POPで可愛いのにずっしり重たくもあってそのバランスが絶妙!ママの描写とかパパのサイドストーリーとか賛否好き嫌いいるいらないかなりありそうだけど、俺は全部好きだったなー。そしてラストの余韻が堪らなく良い。音楽もホント良い。見て損しないやつです。 『ドンテンタウン(曇天街)』 60分一本勝負の潔さと考え抜かれたストーリーと色と構図のバランスと歌の良さで今泉力哉監督が愛したのも頷ける。こういう邦画がもっと増えたらいいなぁ。DVD収録の短編『ドキ死』も激好み。なるべく長く見てたいので井上康平監督、次は長編を!! 『WAVES/ウェイブス』 もうA24裏切らない永久認定でいいんじゃん? 兄の転落からの妹の再生を父との関係を絡めて鮮やかな色彩で描いてて軽めのおしゃクソ映画だと思ってた自分をぶん殴った。妹ちゃんやったテイラー・ラッセル嬢が後半キラキラしっぱなし!こりゃー完全に見てよかったやつ!! 『ラストナイト・イン・ソーホー』 60年代の煌びやかなロンドンに魅了されてたら、知らぬ間にそこに蔓延る深い闇に突き落とされてて、一人で泣いてたら友達できてたみたいな変な話!!細かいことは置いといてまずは音楽と映像に存分に呑みこまれて酔いしれれば良し!! とにかく二人とも可愛いッ!!! そしてやっぱり音楽使いが上手いなーエドガー・ライト!! 幽霊描写も割と不気味。きっちりホラーだがほぼ青春残酷物語だからヒリヒリもするんだけど、鑑賞後の後味は妙に爽やか。本当に変な映画なんで答え合わせはあんまりしない方がいいかもね笑 「あー変な面白い映画だった!」で終わりでいい笑 『アオラレ』 ラストに教訓みたいなワンシーンもちゃんとあるし、教習所とか免許センターで流すのいいじゃん!ってなりました。ていうかラッセル・クロウ、ただの熊じゃん!笑 『ロード・オブ・カオス』 ほぼ実話でこんだけ嫌〜な青春映画もそうそう無い!笑 言わずもがな大好きでしたけどね笑 メタル版時計じかけのオレンジだけどドギつさだけで言えばこっちのが上。 近頃、何かむしゃくしゃしてるって人は観てみては?ただし余計モヤつく可能性あるんで責任はとりません!!笑 もしも『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』的な感じで借りて観ちゃったら痛い目にあうよ笑 残酷描写もぼかし入るレベルなんでご注意ください!! そして今年もワースト発表!! ワーストはこちら!!! 『SNS-少女たちの10日間-』 う〜む…。 簡単に言えば12歳少女を餌に、おじさんホイホイしてみましたっていう実験映画なんだが、警鐘を鳴らしているというよりも釣られたおっさんらを見てみんなで気ッ色悪ゥ〜って言い合って終わり感強め。 警察も動いたってことはそれなりに意味はあったのだろうけど、何かモヤつきが取れないんだよなー。 そういう気持ち悪いおっさんたちがいっぱいいますってのはわかってるし、そこに全く驚きはない。 むしろそれを叩くっていうなら、本気で撲滅させるぐらいの気持ちで立ち向かってほしかった。 制作陣の知り合いにだけみんなで抗議ってのもそういうことじゃなくない?って気持ちが抜けない。 何より途中で出てきた大学生も12歳少女と話そうとしてきたってこと自体キモくないか?そこは涙といい音楽なのかよ!って感じ。 何か全体的にズレてたな。 ニセの裸写真も超いらんよ!! 問題提起はしましたので後は皆さんで考えてくださいっていうテーマでは無いんだよ。それが最大のズレ。じゃあ、子供たちを大人たちがどう守るのか?ってとこにまで踏み込んでくれなきゃ「でしょうね!」って話。 クズはどうやっても減らせないんだから、そこから遠ざけるしかない訳で。 せっかく凄いセットを組んで時間とお金をかけた割に落としどころがぼんやりしてたのがモヤつきの原因かな。 性的搾取から子供達を守るって立派なテーマなんだから、それをやったらどうなるのかってとこまでとことんやってくれなきゃ守ったことにはならない。 まぁ、ノマドランドよろしく、やったってことには大いに意味はあるんだけど。 というわけで2022年もいい映画に出会えますように❤︎ 皆様もどうかご自愛ください(OVER THE SUNリスナー) youngas SHINODA a.k.a. VHS BOYA®︎ #
by youngas
| 2022-02-14 13:15
| 俺アワード
2021年 04月 02日
今回でなんと俺アワ12年目!!!! 何か書く方も読む方ももう飽きた感強めな上に今回もシノダ aka VHS BOYAのみの発表ですってよ、奥さん!笑 というわけでもう2021年の4月(!)で、「いや、お前、年の約3分の1経過して去年のランキングもクソもねーだろ!」なんだけどもね。そういうのには一切耳を貸さずに突っ走ります。(全裸かつ半勃ちで。) というわけで嫌がらせかつヤケクソ(英語でBURN THE SHIT)に書き連ねてますんでしばしのお目汚しお許しくださいませ。 ここまで来たらしのちゃんやめへんでー!! というわけでさっさと始めますか、今回も!(今回も映画編のみ!すんません!) ちなみに2020年にシノダが見聞き読みしたものなので発表やリリースが2020年じゃないものもありまーす! 〈映画部門〉 2020年はとんでもなく迷惑な「あいつ」が世界中で大流行!パンデミック映画とか大好きだったのにリアルになった途端、ただの悪夢に早変わり!公開も延期延期延期!ワンダーウーマンは日本先行公開っていう禁じ手使って年末に滑り込んだものの、激楽しみにしてた007ダニエルクレイグ版ラストダンスの公開は2021年だったり、3〜5月は映画館もバタバタと閉鎖しちゃったり。こりゃー2020はリアルに俺アワ書けないかもな…と途中までマジに思ってました。しかしこれがなななんと蓋を開けたら大大大豊作!! つーか、むしろオールタイムベスト級映画ばっかり!!! 後世に語り継ぐべきモンスター映画百鬼夜行!!! いつになく鼻息荒く紹介して参りますよッ!!!! 第10位『TENET テネット』 " ノーランの日本語表記は「脳乱」に決定!感染対策疲れのみんなが密を覚悟で押し寄せた2020年一番「よくわかんない映画」は難解なのになぜ楽しい?" ランクインさせざるを得ないような、その年の空気感をがっつり纏った一本てのが毎年あるわけですが、コレはマジでリアルガチのソレ! 思いついたからやってみたかった感満載な時間逆行モノであり、好きだからやりたかった感満載な旧スパイ映画への濃厚オマージュでもある「ノーランやりたい放題」な訳ですが、説明不足なまんまでガンガン進むから、当然観客ぽかーんでほぼずーっと置き去りなんですね。しかしこれこそがノーランがやりたかったことだと思うんです。つまり映画の中でも台詞で出てきた「考えるな、感じろ」なんですよ。しかも延々と「どう?混乱するだろ?」って鼻で笑ってくるベロベロバーな感じが逆に痛快。わかんないが気持ちいいとか難解が楽しいって結果相当高度なことやってると思うし、何故かずっと楽しいんですよね。 よくある考察にもある通り、タイムトラベル/タイムスリップ物ではなく、時間をただ逆行してるってとこが味噌で、つまり6時間前に戻るのに6時間かかるって話だから、そりゃー混乱するわけですよ!笑 「今のこいつはいつのこいつなんだっけ?」って笑 それに加えて外気を摂り込めないから酸素ボンベがいるだの、防護スーツ着ないで過去の自分に直に会うと量子の対消滅が起きるだの(コレマジで意味わかんない!)、熱の反転で炎は冷気に変化するだの、失礼ながら小賢しいルールをしこたま詰め込んでるんだから、そりゃー「脳乱」なわけだ!笑 だからそこはもうテネット=信条(中国題)が超必要。ノーランをただ固く信じてついていくのが観る者たちの最大のルールってことなんですよね。で、それが出来ない、最初っからついてけないって人はただただ地獄の150分です!笑 とりあえず出だしのオペラの会場をテロ集団が襲うシーンから緊張感MAXでどっぷり引き込まれるからわりとがっつり疲労感はありますけど、映画体験(IMAXで)としてコレを観とくってのはありなんじゃないですかね。『インターステラー』がその矛盾も含めて大いに愛せた俺からしたら(ショートカットのアン・ハサウェイが可愛いが5割だけど笑)、スケールアップした「ノーランやりたい放題」は楽しさしかなかった!! いいぞ、ノーラン!もっとやれ!! 第9位『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』 "死体だらけの猟奇ハウスで夜な夜な繰り返されるSEX&KILL!もし4DXで匂いまで再現したらもらいゲ○まみれで悲惨なことになるだろうってぐらい匂い立つ腐敗臭が画面を支配!映画史上指折りの最低殺人鬼登場!!" いわゆる実話モノ(1970年代にドイツのハンブルクで実際に起きた連続殺人事件がベース)だけど、ここまで動機が幼稚でキツイと逆にオモロくなってくるやつです笑 いや、お前のコンプレックスとか知ったこっちゃないし、おばはんそんなに殺すなや!って心ん中で見てる間中ツッコミまくり。途中若いピチピチギャルの妄想するとことか可哀想通り越して爆笑でした笑(実際声出して笑ってる人も結構いた) 1983年公開で37年もの時を経て蘇った『アングスト/不安』の殺人鬼ヴェルナーもなかなかのクズだったけど(扉に女性を縛る縛り方の独特っぷりとお前がソーセージ喰うんかいのとこ最高!)、ホンカは輪をかけてクズ!! 途中の改心して仕事に就くと見せかけバースで「がんばれホンカ!」ってなったのに速攻戻っちゃう瞬間とかマジ最低すぎて超最高笑 全体的に熟女好きからはブーイングな可能性は大かも笑 若い女子がそんなに好きか!お前!って割と熟女好きなワタクシからしたらムキーッてなりましたわ、何度か笑 まぁ、とはいえ実際のホンカについて調べると1935年、第一次世界大戦の敗北で国の経済が破綻したドイツで生まれて絶望感しかなかった幼少期(父親はアル中で暴力三昧)にいじめや差別が横行していた児童養護施設を経て、21歳で港湾労働者として肉体労働を始めた矢先に不慮の事故で顔面に障害…とか出てくる出てくる不幸の連鎖。そりゃあ、こうもなるか(でも殺人はあかん!)って感じ。 監督のファティ・アキンはホンカと同じくドイツのハンブルク生まれ。実際近所で起きた事件だったそうで、子供時代に「気をつけないと、ホンカに捕まるぞ!」とよく言われたとか。「エンターテイメントとして語りたくなかった」と言うだけあって、ネチネチダラダラ描かれる殺人シーンには殆どの観客が辟易するに違いない。でもそれこそがこの映画の見所。窓開けて見ないと匂いが充満するかも。 さぁ、ホンカの不道徳で幼稚で寂しくて薄暗い猟奇殺人ハウスへ。 第8位『続ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』 "不謹慎で超下品なボラットをもってしても今のリアル世界の方がよっぽどオ・ゲ・レ・ツ!愚かなアメリカに立ち向かうおバカ親子愛に笑って笑って、さぁあなたは何を考える?" 全盛期のサシャ・バロン・コーエンがやってたみたいなドス黒い風刺がもはや笑えないぐらいに荒れた現状、要するにトランプ政権下のアメリカが取り返しのつかないレベルでドイヒーにどん底まで腐敗し切ってるってことは子供だってわかるレベルな訳で、そこにコロナっていうまたしても死神が現れた今やっぱり帰ってきてくれましたよ、我らがボラット様が!しかもボンクラ娘まで連れて!笑 今回もJackass的ドッキリとFAKEがいい感じに混ざってて(前作よりおとなしめ感は残念ながら否めないんだけど)今の厳しすぎるコンプラポリスども(もちろんリアルポリスも)の目をくぐり抜けて良くぞここまでやってくれたなー!って感じだし、"ボラットisBACK"は今こそ意味あることなんだってサシャ・バロン・コーエン自身が一番わかってたんだろうね。 社交界で披露されたとんでもないダンスシーンだけでも見る価値絶対あり!(娘ちゃんトゥーター役のマリア・バカローバ がとにかく最高!) ラストは何故かホロリとしたり。 (あと、前作の山寺宏一吹替えが好きだったからまた聞けて幸せとかね) 今、観なきゃいけないってことも含めて、無理矢理ねじ込んだランクインではあるんだけど、これのせいでランク外の作品たちが不憫でもあるという笑 正直これを見て単なる下品で不謹慎と感じるだけか、その奥にある何かを受け取るかはその人次第みたいなとこあるんで(サシャ・バロン・コーエン全部そうだけど)、これ読んでから観て「ゲッ!観なきゃよかった!」ってなっても責任取りませーん笑 あなた自身の答え合わせは今すぐアマプラで! 第7位『デッド・ドント・ダイ』 "ゾンビ映画ごと喰らい尽くす破茶滅茶なノーフューチャーコメディーに腰砕け必至!!まさにゾンビを「ジム・ジャームッシュならこう撮るね!」" ジム・ジャームッシュ御大がゾンビ映画を…って予告の段階でこいつぁヤバそうと踏んでたけどまさしくヤバヤバ案件でしたわ笑 まぁホラーファンにはほぼ総スカンだろうし(ロメロ信者の怒りの声多数。俺も割と信者に近いけどジャームッシュも大好きだからリスペクトだけ感じとるようにしました笑。さらに言うとゾンビ映画研究の大家・伊東美和氏はパンフに寄稿!)、コメディとして見てもオチは弱いし、「何がしたかってん!」なんですよ、結局笑 でも、これぞジム・ジャームッシュっていうのかなぁ。 オフビートな笑いをゾンビ映画でもやっちゃうっていう。 だってパトカーのシーンで「この曲なんだっけ?」「スタージル・シンプソン(カントリー界のスーパースター)の「THE DEAD DON'T DIE」ッスよ」「よく知ってるな」「この映画のテーマ曲なんで」ってやり取りからしてズコーッ!ですよね?笑 要するに徹底して撮りたいようにやっただけなんだと思うんですよ。で、結果的に破茶滅茶なんだけど、そこがツボの人には堪んないやつっていう笑 ジャームッシュオールスターズなビル・マーレイとアダム・ドライバーとクロエ・セヴィニーがゾンビに狼狽える警察官ってだけでいいし、そのゾンビがイギー・ポップ(コーヒー・ゾンビ!)だったり、他にもティルダ・ウィンストンとかスティーヴ・ブシェミとかまで出てきてジャームッシュ同窓会じゃん=ただただ最高じゃん!っていう笑 ま、後ろのカップルの男のほうが見終わってすぐ放った「なんだこりゃ」はまさにこの映画への感想にふさわしい第一声でしたけど。笑 嫌い!って人は恐らくだいぶいるんだろうなー。 でも愛せる!って人も恐らくかなりいるのでは? まぁ、あんまりキンキンにハードル上げて見る映画でもないんで、「やることねーなー」な気怠い休みの日の午後にフラッと行ってみたTSUTAYAの4本目に借りたやつみたいなノリで見たら「結構当たりなやつ」です、たぶん笑 俺は愛してる!笑 第6位『パラサイト/半地下の家族』 "ポン・ジュノ面白い映画いつまで更新すんだ⁇ 予想つかなさも過去一番!そんなことになってそんなことになんのかよーーー!と驚きながら爆笑して息を呑んでラストは絶句!面白くないシーンがワンシーンもない異常な完成度!世界よ!コレが韓国映画だ!!" 韓国人でもないのにそう言いたくなる級っていうの?笑 2020年、コレをランクインさせないなんてことはまぁ普通に考えられないわけですよ。それなのに6位に落ち着いたのは、よく俺が言うところの「俺が愛さなくても愛してくれる人がたくさんいる」から。(つまり俺映画ではない) 好き嫌いはあるけど、つまんないって言う感想はほとんど出なかったんじゃないかなぁと思うんですね。それは韓国映画の持つ、いわゆる醍醐味みたいなものがギチギチに詰まってる話(貧困問題を根っこにしたサスペンス&アクション)てのがまずはあります!そしてトンデモ展開満載の大顔芸大会(韓国役者のええ顔を拝みにいくってのが韓国映画のマジで重要な要素!)ってとこですよね。つまり役者たちの凄味ってのが今回だいぶあったのかなぁ。話も面白い上に舞台や役者の顔も良しで映画としては完璧だったってことなのかも。 ソン・ガンホがええ顔なのは言わずもがな。マ・ドンソクともサシでやれそうなタフなおかんチャン・ヘジンも、『新感染』でお馴染みの兄貴役チェ・ウシクも最っ高。そして何と言ってもギジュン役のパク・ソダムちゃん!この娘が出てる全シーン強烈で猛烈に大好きでした!タクシーでパンツ脱ぐとことかもう目が離せなかったよね。あの後の展開予想してパンツ脱いだんならとんでもない策士だよなー、あの娘笑 一人だけラストああなるってのもなんか妙に納得で考えさせられる。笑 観終わって自分の匂いが気になったり笑、ああでもないこうでもないってとりあえず2時間はやれる。それって今の時代、マジで大切な気がするし、こういう映画が客入るってなかなか捨てたもんじゃないぜ!世界!って思わせてくれました。アカデミー当然。 第5位『音楽』 "奇跡起きてる! 大橋裕之の原作の持つ音楽というタイトル以外受け付けない「濁りのない何か」(純粋さとは違う)を殆ど真空パックしたかのような再現度にただただビビる至福の71分間。こうしてる間にもすぐにでもまた観たいッ!!!" 大橋裕之作品はほぼ初版でコンプリートしているし、サイン会とかにも行っちゃう割と古参の自称ヘビーファンなんですけど、大橋作品の最重要作の一つがこの「音楽」で、コレで決定的にファンになったんで、アニメ映画化と聞いた時、嬉しさと不安、当然どちらもありました。何しろあの古武術(バンド名)がどんな音を鳴らすのかってとこが最大の壁だなーと。カッコ良すぎてもスカスカでもなんか違うよなーと。それがちゃんと古武術が鳴らしてる!って感じれたんですよね。そこでもう、泣いちゃいないんだけど心ん中では号泣でした。うんうん、コレだと。そう思わせた時点で勝ちですよね。声優陣も最高。坂本慎太郎?って最初は思ってたけど「どハマりじゃん」っていう驚きと喜びね。ここ重要! ハマってない声優のアニメは結構ツライ! 結論として大橋裕之の原作ファンとしてどうこうということじゃなく、アニメ映画としていつも起きて欲しいと思っている奇跡がまさに絵と音楽として71分間ずっと鳴っているというあの唯一無二のグルーヴを体感する映画なのであるってこと!(主役研二の歌声は岡村靖幸!) それは岩井澤健治監督が7年の月日を使って、情熱と執念で書き上げたあの疾走感溢れる絵たちの持つグルーヴでもあるんですよね。そこも含めてマジ奇跡。 そしてここで改めて言っておきたいのが、大橋裕之の凄さ。 大橋裕之ってヘタウマ(というより下手!笑←褒めてます)なあの絵に絶妙な物語っていう、それこそ奇跡のバランスで売れた人だと思ってるんですけど、この人の書く物語ってほとんどが無意味だけど「濁りのない何か」なんですね。で、それって純粋さなのかっていうとそんなことでも全然なくって、ちゃんと意地悪だったりもするんですね。だけど透明なんですよ。その透明さ≠純粋さなところに俺みたいな目が濁りっぱなしのクソ野郎達は涙してきたし、救われてきたんだと思ってまして。(濁り度高い奴らは純粋さを嫌う。けど、一番の憧れでもあるという矛盾) その大橋裕之の持つそういう言葉にしづらい透明な感動がグググッてエモーショナルにあたかも目の前で動き出したような気持ちになって、わーっ!コレは奇跡体験(ある意味アンビリバボー)じゃーん!てなっちゃったという。(うん。我ながら言葉の意味はわからないけどとにかくすごい自信だし、伝わる人に伝わればいい笑) ちなみにもっと言うと大橋裕之の漫画ってコーラでもオレンジジュースでもビールでもコーヒーでもなくて水だなーっていつも思ってて。水って透明だけど何色にも染まるし、時には人を助けるし、襲うし、でも絶対に必要で。 節目節目で救われて来たから、そんな水みたいな漫画だよなーと思ってたら新刊のタイトルが「太郎は水になりたかった」だった時、静かにほくそ笑みながら頷いたのは言うまでもありません。 とりあえず色々書き連ねたけど、まずは黙って見てみて欲しい。そして文字通りの『音楽』を全身で感じて欲しい。 今、生でなかなか浴びれなくなった音楽がいつかまた近くで感じれることを祈りながら。 第4位『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』 "教室というヒエラルキーの中で悶々としたことある人なら誰もが共感できる「知らんだけでホントはウチら最高なんやで!」フェスティバル!!見終わってもしばらく引きずる主役2人の愛しさたるや!!" 今振り返っても学生時代って特殊な緊張感の中にいたなぁと思うんです。自分がどう他の人に見られてるのか戦々恐々としながら、開き直ったり塞ぎ込んでみたり忙しく自己批評してるような毎日ではっきり言って辛い方が多いんだけど、意外と自分が考えてるほど見られてない意識されてないってやっと気づいて、気づいた時にはもう卒業っていう笑 そんな息の詰まる学生生活の最後がこんな風にキラキラしたものだったらどんなに素敵だろうっていう《ファンタジー》をアメリカのティーンズ特有の悪ノリ満載で描いてて、そりゃー嫌いになる隙ないわなー。 主役の2人がマジで愛しくなるのは言わずもがな。(主役の2人を演じたケイトリン・デヴァー(エイミー)とビーニー・フェルドスタイン(モリー。あのジョナ・ヒルの実妹!)の空気感が本当に最高だし、2人だけのラストの方のあのシーン、映画史に残る泣き笑い名シーンなんで是非涙グチャグチャで爆笑しながら見てください!) クセの祭典みたいなクラスメイト達も可愛くて可愛くてね。よく誰も傷つかない、傷つけない映画って言うけど、ここまで出てる人みんないい奴な映画、他にあったかなぁってぐらいエゲツない多幸感!とにかくハッピーが画面に充満してる!で、普段ならそんな状況がリアル世界にあったら舌打ちしちゃうような俺みたいな捻くれ者でも充分に浸れるのは「ハッピーになろうとしてる奴ら」にちゃんと映ったから。まぁ、本当の世界でも馬鹿みたいに笑い上戸のヤツほど、家庭が酷いことになってたりすることってあるわけなんですけど、そんな感じで色々あるけどもがいてる十代にちゃんと見えたんだよね。 学生時代良くない思い出ばっかりで記憶から消し去りたいって思ってる人ほど観たらいいんじゃないかなぁ。(俺も中学とか割とそう) 自分だけ色々あると思ってたけどみんなにも色々あったのかもなって少しだけでもその時のクラスメイト達を愛せるきっかけになるかもしれません。そういう意味でも観て損なし。 実際、ビーニー・フェルドスタインは「本作のメッセージは、私たちは他人や自分を決めつけすぎってこと。よく知りもせずに、型にはめてしまっている。」とはっきり言ってます。 そして何より何よりオリヴィア・ワイルド、女優さんとしてだけでなく初監督でこんなん撮っちゃうなんてどれだけ腕確かやねん!追いかけます!! 第3位『mid90s/ミッドナインティーズ』 "アメリカには青春とスケートボードが同義語な時代があった。「何にもないって全部あったってことだったんだ」と気づいた時にはもうつまんない大人だったダサいあの日の自分への鎮魂歌。" 冒頭の兄貴にボコられるとこからグワッと胸ぐら掴まれるよね。その後も90年代の曲がガンガン流れる中、スケボーに明け暮れる少年が少しずつ大人になっていく姿をちょっとビターに、だけど真っ直ぐに描き切ってて、こんなん嫌いな訳ねーじゃん!ヤンガスって名乗っててコレ嫌いだったらヤンガスじゃねーじゃん!しかも監督はヤンガス大好物のジョナ・ヒルときたもんだ!さらにA24作品かつ、監督やれって言ったのがスパイク・ジョーンズっておまけ付き!勝手にヤンガス映画って呼んでる作品って何本かあるんだけど、こんなどストレートにヤンガス映画ってここ数年なかったんじゃねーかなぁ〜(ケンタシオンくん見た?笑) 偶然にもジョナ・ヒル(『mid90s/ミッドナインティーズ』監督)とビーニー・フェルドスタイン(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のモリー)ていうマジ兄妹による青春映画が同時期に映画館で見れた奇跡!そしてどちらも傑作!どうにかして同じ日に観て欲しい。普通に最高の青春映画二本立てなんで。(好き要素が多すぎるって点で1ポイントだけこっちのが上でした。) スーファミとかストリートファイターとか日本の要素もちゃんとありつつ、ニルヴァーナ、ファーサイド、ピクシーズ、ア・トライブ・コールド・クエストなんかの名曲群にナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーの音楽。そしてスケボースケボースケボー!!もう言うことないやね笑 プロのスケートボーダーの少年達が主役ってとこがいいんだけどスティーヴィー役のサニー・スリッチくんはもちろん、レイ役のナケル・スミスくんの顔とその表情はマジで泣ける!(失礼) 冒頭にも書いた兄貴役のルーカス・ヘッジズもいいやねー。(不朽の名作『マンチェスター・バイ・ザ・シー』から早4年。どんどんいい役者になってきてます!) というわけで青春期が90年代じゃなかったあなたも! 是非90年代ど真ん中(mid90s)のアメリカへ!! 第2位『ミッドサマー』 "名作『ウィッカーマン』似すぎ問題から様々な賛否も好き嫌いも全部呑み込んでそれでも好きなんだから仕方ない!笑 さぁ、変態アリ・アスターの描く覚醒型地獄里帰りへ!" 冒頭からケツまで好き好き大好き!!!じゃあ何がそんなによかったの?と言われても説明は難しいっていう笑 生理的に大っ嫌いって人はそもそも沢山いるだろう映画だし、『ヘレディタリー』もだけどアリ・アスターってそういうのわかってても容赦なくいく人なんで、そこがバッチリ好みとして合っちゃったら好き好き大好きになっちゃう人は一定数いるのかなーと。 祝祭前の雪に覆われたスウェーデンの森の美しくも不気味なインサートから始まって、やがてヒロインに訪れる最悪の現実とそれによって泣き叫ぶ声(ほぼ絶叫)からの、あの不穏過ぎるタイトルバック!文字が暗過ぎて良く見えないけど「MIDSOMMAR」って出てんですよ!そっからして「ヤベー!!超アガる!!」(笑顔でサムズアップ)だったもんな笑 要するにあそこで「こっから悪夢の始まりです!引き返すなら今ですよー」ってやんわり教えてくれてるんですよね。あそこで降りなかった我々が乗った地獄ライドはさらにエゲツない猛スピードで変態村ゾーンへ突っ込んで行って、絶望と恍惚のラストまでノンストップですよ!! (何しろ170分18禁の完全版がおすすめ!!R指定の通常公開版で端折られた他愛無さそうでかなり重要な会話がバッチリ入ってるから話もキッチリと繋がって「あー!なるほど!」と気持ちいい!) とりあえず書いときたいのはアリ・アスターがコレを恋人と別れたばかりでそれが創作のきっかけになったってこと!笑こんな狂った映画を別れの墓標にされた彼女への憐れみはかなりのもの!笑 変態を物語るエピソードとして完璧だなぁと。笑 そして、ダニー役のフローレンス・ピューが本当にいい女優!『ファイティング・ファミリー』も『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』も凄く良かったし、彼女の目!マジで素晴らしい目をしてます。『ミッドサマー』でもこの子の目が残ったもんなぁ。 (『続ボラット』のマリア・バカローバ、『パラサイト』のパク・ソダム、『ブックスマート』のケイトリン・デヴァー&ビーニー・フェルドスタイン、『ミッドサマー』のフローレンス・ピューが2020俺アワシノダ編の女優賞ノミネートでしたが、頭二個分フローレンス・ピューが最優秀主演女優賞でしょう!!おめでとう!!←迷惑なだけ) 『デトロイト』での嫌なツラでお馴染みウィル・ポールター演じるマークの顛末もかなりこの話の加点要素だったし、よく見ると森が死んだ妹の姿になってるとか、スウェーデンに行く前のダニーの部屋に飾ってある絵が実は結末と…とか、そういう隠れミッキーならぬ隠れミッドサマーも楽しいんで、見終わってからゴロゴロ転がってる考察とか分析でさらにホルガ村の奥地に行ってみるのも楽しいのでは?? 第1位『ブルータル・ジャスティス』 "コレコレ!コレが観たかったんだよ、おじさんはッ!!(←大声で) やたらと丁寧に描かれる"切実に金が必要"描写を経ての容赦ない暴力!暴力!暴力!愛すべき陳腐邦題のおかげでビデオ屋の棚の端に追いやられんのは絶対に許されない恐るべき大傑作!!タラの次はザラー!!" 「1位かね?」って今言ったあなた!俺もそれ思った!笑 むしろ寸前まで思ってた!笑 でもね、この映画を猛毒の如く体内に取り入れたあの日から、この映画のことを忘れた日は一日も無かったし、サントラも CD・アナログどちらも手に入れて、ブルーレイの初回生産限定盤も予約してまで買ったという事実からしてもう無条件に優勝なんです笑 逆に言えばそんなテンションの映画、ここ数年なかったかもなぁ。 じゃあ、何でそこまで俺を虜にしたのか? それはまず、容赦ない暴力描写! 邦題のブルータル(BRUTAL)=残虐な〜ってのはまさしくこの映画のこと!(でもジャスティス=正義はどこにも見当たらず!笑) 途中から登場する強盗団の容赦なさには何度見ても震え上がるし、こんな奴らに目つけられたら死を2、3度は覚悟するよね。(あの女性銀行員のくだりとかね。見て欲しいからこれ以上は言わない!) そして、やたらと長くていらないシーンが満載! みんな大好きヴィンス・ヴォーンの車内食事シーンな!笑 ここ数年アレ超える面白いシーンあったかな?笑 千葉真一化してるメルギブ様のツッコミ含め何回見ても最高。 個人的にはどれも必要でいらないシーンは1シーンもないけど、話に関係ねーっていうダラダラしたとこがそこら中にあって、それがこの映画の愛敬にもなってんですよね。 というより、ザラー映画は無駄シーンに一見見えて、やっぱり無駄ってのが多くて笑、そこがいいんだけどね!(『トマホーク ガンマンvs食人族』と『デンジャラス・プリズン-牢獄の処刑人-』(これも邦題ダセー!笑)もね!え?見てない?ヤベーってソレ!早く見て!) 音楽もザラー自身によるものでどれもこれも名曲!(ザラーはメタルバンドのドラマー!)サントラはマストバイ!何遍聴いたことか笑 ショットガンサファーリ〜♪ てなわけで、一位なんだけど、ここはサクッと終わらせます笑 「見て!マジで最高だから!」としか言いたくない笑 最後に"暴力の伝道師"ザラーの言葉だけ置いておきます。 “参照とした作品は、自分の過去作2本以外では難しいのですが、私のお気に入りの作品をいくつか挙げることができます。『プリンス・オブ・シティ』、『HANA-BI』、『コックと泥棒、その妻と愛人』、『現金に体を張れ』、『ヒート』、『戦場にかける橋』、『ピンポン』、『ナッシュビル』、『成功の甘き香り』、『タクシードライバー』、『拳銃魔』、『ワイルドバンチ』などは、明確なキャラクター、物語の勢い、道徳的な複雑さがありますが、偉大な作品たちです。これらの映画の一つ一つが、鮮やかなフィクションの世界であり、観るたびに、私は作品の中で示された出来事の先にある世界や生活を感じています。これらの作品は、私を熱心な映画ファンにしてくれた映画たちであり、現代の多くの教訓的な映画のように、答えを匙で投げかけるのではなく、人々に問いかけさせ、生き残っていく芸術作品なのだと思います。” というわけで、2020年の結果は以下の通り。 1位:『ブルータル・ジャスティス』 2位:『ミッドサマー』 3位:『mid90s/ミッドナインティーズ』 4位:『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』 5位:『音楽』 6位:『パラサイト/半地下の家族』 7位:『デッド・ドント・ダイ』 8位:『続ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』 9位:『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』 10位:『TENET テネット』 【次点のコーナー】 ベスト10には入らなかったものの、シノダが2020年に愛した映画を一気にご紹介! 主にシノダツイッターから引用した一言寸評付きです。 『アングスト/不安』 殺しのシーンまで被せられる長過ぎるモノローグに「ちょっと黙って!」ってなる笑 そして何しろ気になったのはテープがあったとしてそうやってドアに縛りつけるんか!ってとこ笑 グロさは期待してたより全然大したことないんだけど、映画全体の持つ狂った濁った空気とエンドロールで流れるBGM(?)の余韻はなかなか。 『家族を想うとき』 ケン・ローチがダニエルブレイクで引退って言ったのを撤回してまで撮りたかった"仕事とは?そして家族とは?" 配達員の過酷労働が嫌ってほど生々しく描かれ、時間指定したんだから届くのが当たり前って人全員(俺含め)歯食いしばってこの家族にビンタされるべき!お母さんの仕事場にみんなで行くところで涙腺崩壊!自分にとっての仕事や家族に対する踏み絵みたいな映画だと思うんで辛いシーン連発だけど我慢して見るべし!まさに家族を想い出す映画。 『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』 なんだろう?「オバマ絶賛」とか「映画の神様からの贈り物」とか「史上最高の青春映画」とかいうコピー見るとすごい萎えちゃう!一言で言えば思春期の恥ずかしいあるある集めました的小粒なキュートさがこの映画の魅力なのにめっちゃ邪魔してくんだよな、そういう賛美が。笑 なんてことなさが魅力の映画だからハードルキンキンに上げて見ないで欲しいってことね。いわゆる普通にいい映画。賞レース総なめとか聞くとやっぱり違和感なんだよなー笑 大好きな『スウィート17モンスター』に並ぶ思春期女子ものの傑作ではあるので見逃しは厳禁で。 『T-34 レジェンド・オブ・ウォー 』 エンターテイメントとしてもはや完璧と言ってもいい、戦車映画の新たなるマスターピース!ズドーンだのドカーンだの、ただ派手なぶつかり合いを見せつけるだけじゃなくって、登場人物全員魅力的だし話も面白くてあっという間。特に観た女子みんな目がハートになっちゃうイェーガー大佐の色気よ!俺はそれでも『フューリー』派ではあるけれども笑、これは観て損なしどころか観ないと損するやつ! 『凪待ち』 香取慎吾って一般的なイメージとして「天性の陽キャ」みたいに語られがちだけど、同世代としてずっと見てきてこの人は恐らく闇の中にも生きている人だなと思ってたから、そこに全面的に寄せた今作の恐ろしきハマり方に「これが俺が見たかった慎吾ちゃん!」と後半ずっと親指立ててました。白石和彌×香取慎吾、また観たい。 『ジョジョ・ラビット』 ナチスを題材にしといてこのPOPな斬れ味はズルイ。手放しで最高と言うには横たわる歴史が重過ぎるけど、このスカーレット・ヨハンソン演じるお母さんは映画史に残るマジで最高なおかん!このおかんに出会うためだけに観ても全く損なし。あとヨーキーの可愛さ!笑 まぁ、一定量、題材そのものに反論が存在するのは仕方ないにせよ、反戦メッセージは強めなんで親子で見るなんてのもいいんじゃないですかね。 『ビースティー・ボーイズ・ストーリー』 最高。アドロックとマイクDにステージ上で歴史を語らすだけってシンプルなやり方にまずは新鮮な驚き!腹抱えて笑って、MCAスゲーって改めてのけぞって、ビースティーの偉大さに涙する至福の2時間。遠い昔だろうが一時期はヒーローだったって人は絶対に見たほうがいい! 『よこがお』 筒井真理子の堕ちていき方がジリジリと腹部に包丁を押し当てられてるような不快感でもう最高。厭な映画度は『淵に立つ』より斬れ味が増してる感あってこっちのが上!池松&市川もむちゃくちゃ良い。さぁ、人間という名の地獄巡りへ。 『アルプススタンドのはしの方』 ある意味擦られまくった「主役じゃない者達」がテーマの青春モノだけど悪くない!ていうかこの短さがいいね!peggiesのエンディングテーマもやけに爽やかに響いてこりゃー一定のファンを獲得するのも頷ける。ただ、ラストの未来バースが必要かってとこはあるかなぁ 『呪怨:呪いの家』 Netflixで1stシーズン全6話一気見。いい!呪怨の持つ「感じの悪さ」剥き出しで首根っこ押さえつけられて襲われた感じ。あの傑作『きみ鳥』の三宅唱がホラーでこんだけ光るとはその采配含めて神がかってる。3時間ぶっ通し映画館で観たいッッ 『クライマックス』 エンドロールからの最初のダンスからの超途中での演者紹介ではい終わりでいいのに「いやー僕の映画なもんでそういう訳にはいかないんスよー!」ってギャスパー・ノエの見えないてへぺろが現れてからの地獄ライドが長くてしつこッ!笑 至福だったけど多くの人にとって全くもって見なくていい映画!笑 俺は大好きだ!笑 『スケート・キッチン』 奥手のメガネ女子とスケボーよ?無条件に心躍るやん、こんなん!何より本物のガールズスケボーチームが出演してるんで、スケボーシーンがどれもいい!スケボーがあくまで主役ってとこがいい!ラリー・クラークの『KIDS』を彷彿ってコピーにあるけどあんな意地悪じゃないよ笑 優しいけど知らぬ間に指先が切れててずっと痛いみたいな余韻はあるけど。しかし初っ端からなかなかキツイんで覚悟してどうぞ! 『KICKS』 カリフォルニアの空の下、少年の宝物のスニーカー(エアジョーダン1てとこがまた最高)がチンピラに奪われてソレを取り戻しに行く話ってだけで好物なのに、ヒップホップがガンガン流れて、後半マハーシャラ・アリまで登場してこんなもんそらー俺まっしぐらだわ!完全なる俺チュール!オチもいいッ! 『ラスト・ムービースター』 わーこれはダメ。泣いちゃうて。バート・レイノルズ、遺作でこれチョイスって神がかってんな。わかってたのかなとか色々思うとリリコじゃなくても泣くわ、こりゃ。安い合成なんだけどいいなーあの2シーン。映画愛。それだけ。 『ゴーストランドの惨劇』 さすが『マーターズ』の監督だよ。女性にどんな恨みがあんのか今回も超絶フルボッコ笑 あーはいはい巻き込まれ型のこの感じねと、構えて見てたらとんでもない方向にぶん投げられる何層にも重なった巧妙なストーリーテリングに唸った!いやーマジ面白かった! 『ワイルドライフ』 見るに耐えないというならフリッツホンカよりこっちのが上!「何で母ちゃん俺を連れてきたの?」ってなるし、火をつけたいの息子のほうだろ!笑 子供は全部見てるしわかってますよ。ってメッセージなのかは知らんがホラーでしょ、完全に笑 絵が無駄に綺麗だけどそれどこじゃない笑 ジョーの成長物語…じゃねーわ!笑 ジョーが最初から一番大人だわ!笑 おとんとおかん成長せーよ!笑 これに「胸打たれ泣ける青春映画の新たな傑作」とか言ってる人めでたいな笑 完全にホラー映画です!笑 『ガリーボーイ』 スラムの青年がラップで成り上がる話に恋バナまでたっぷりギッシリ詰め込んじゃって150分最高か! 当然嫌いな要素はないんだがいかんせん主役の彼のビジュアルがどうしても好きになれずでクッソ残念。シェールが主人公だったらなー。彼女とスカイは可愛すぎました! さて、2020年はそもそも恒例だったのに何年かやらなかったワーストを紹介! ワースト1:『屍人荘の殺人』 2020元日にyoungas2人で行ってきました。が、これが地獄のような糞映画!!もう2020年のワーストというより、人生ワースト級!コレ面白いってやつ、絶対どうかしてる!笑 浜辺美波ちゃんが可愛いって以外マジで特筆すべきとこ一個もなし!笑 面白くないのは予想してたとしていちいちムカつくんだよ! 小ネタもオールスベってるわ、トリックもショボイわ、極め付けは犯人の理由の重さに対する落とし前を何一つつけずにトンズラ!笑 1800円払ってる人を馬鹿にすんな!(ファーストデイ特別料金で1200円だったけど) これの何がすごいってこんなお粗末な作品を誰もダメ出しせずに世に出しちゃうとこ!もしくはダメ出しした結果がこれならそれが一番すごい!役者に罪はないとは思うからあまり言いたくはないがあまりにも酷い。どん底からのスタートだったから、尻上がり的にどれも楽しめたのかも、2020年笑 逆にありがとう!笑 そしてくれぐれもシリーズ化はやめてください笑(もう準備してそうだけど) というわけで2021年もお達者で!! youngas shinoda aka VHS BOYA® #
by youngas
| 2021-04-02 19:15
| 俺アワード
2020年 02月 10日
この一年のベスト作品を各部門別に勝手に発表する毎年恒例俺アワード!!! 俺アワ11年目、ついに新元号令和に突入したってよ!! これもただただひとえに自分たちのおかげ! ここ何年も年末年始にそわそわしながらこれ書くのに何時間もかけてきたんだからそりゃーもう完全に俺たちの頑張りのみ! 自分で自分を褒めてあげたい!自分で自分をフェラしてあげたい!自分で自分を手コキしてあげたい!(それはただのオナニー) …………いや、実際には読んでるよとか読んでますとか言ってくれるあなたの一言のおかげ…(瀕死) というわけで懲りもせず発表させてもらいます! ていうか2月やん!とか言いっこなし!(爆)おっちゃんも色々ありまんねん!許してちょーよ! 関暁夫いわく俺たちは立方体のクババってやつのシミュレーションで生きてるだけらしく、あんまり生きてる意味も感じませんので(すぐ影響)それなら最後まで読めばいいじゃん! 読み終わって特に何も残んないかもしれないけど、ひー!ひー!暇つぶしにはなるやーつ!(プラスマイナス岩橋の上半身裸になって言うやつと同じ感じで) 今回は映画編のみ!ごめんね〜 ちなみに2019年にシノダが見聞き読みしたものなので発表やリリースが2019年じゃないものもありまーす! 〈映画部門〉 2019は一言で言うとハーコー!かなりハードコアな作品が多かった気がします。激しい(ハード)核(コア)があるもの。パッと見ヒューマンドラマに見えて内包してるハードさはなかなかのレベルというような。 簡単に言えばシリアスで社会派なルックのものだらけだったというんでしょうか。まぁ、それって映画界も今の世界の社会情勢に目を逸らしていられなかったということな訳でそれって娯楽である映画というメディアにとっては良くも悪くもあるんだろうけど、どれも見応えはあったので映画ファンとしては収穫の大きかった年でした。あ、でも馬鹿映画もちゃんと死んでなかったけど。 10位『愛がなんだ』 "「都合のいい関係」を強いられてきた全世界の迷える男と女よ! いつか君にもきっとナカハラは現れる! いじわるでオフビートな恋愛映画の天才が辿り着いた、「恋愛とは不公平なのだ!」ということが嫌ってほど五感に沁み渡る傑作!" これを観た女子がSNSとかでマモちゃんの理不尽かつ無礼な振る舞いに怒ってるのを何人か見たけど「いや、キミ、恋愛って知ってる?そもそも不公平なのが恋愛だから!」とテルコ側経験者の俺は声を荒げたくなりました。「好きになっちゃった方の負け」とは良く言ったものでまさに負けなんですよ、テルコの。「恋愛が対等なものである」とか「恋愛は勝ち負けじゃないから」とか言ってる人は明らかにちゃんと恋愛したことがない人でしょうね。もちろん同じぐらい好きということはこの世に0.2%ぐらいはあり得るんでしょうが大概がどちらかの好きが強くて、その強さで続いてるんですよ、世のカップルなんてものは。(カップルにすらなれないテルコに関してはなんというかお気の毒と言うしかありません) 結婚はそこに子供や親族問題が発生するから0同士でも続けなきゃいけないということは説明するまでもありません。 じゃあせめて恋愛の間は…と汝、思うなかれ。 恋愛の間だからこそ残酷なのです。そこに書面も法律もないんだから。 オフビートな笑いで恋愛映画を紡いで来た今泉力哉監督ですが、過去作もいじわるではあったんですね。片想いの連鎖によるベクトルも向き合わないのなんの。主人公なのに浮気しまくりのクズとか「ダメ人間」がいっぱい出てくる。…いや!実は「ダメ人間」なんてものは元からなくて人間はそもそもがみんなダメなんだってのを晒されちゃう感じ。 そこをいじわるに抉りながら、しかしちゃんと笑いも沢山織り交ぜてしっかり映画として見せてくれる。 初期のいじわるさと『サッドティー』以降の洗練が結実した興行成績含めて今泉さん最高傑作なんじゃないすかねー(まぁ俺は『サッドティー』の方が好きだけど) 岸井ゆきのが何しろ良い!岸井ゆきの力ですね、ほとんど。もちろん成田凌もいいんだけど、意外と彼は素でマモちゃんな気もするんだよな←偏見 9位『ア・ゴースト・ストーリー』 "シーツに穴だけだからこそのエゲツない哀愁! ケイシー・アフレックとルーニー・マーラも良い仕事だし、だいぶお洒落臭もするぞと思ったらまたしてもA24の仕業!" 15分ぐらいの実験映画ならまだしも、劇場公開でこの尺で「このワンアイデア」で挑んだことにまず拍手。前半の無音長回しのとことか、途中の土地の歴史にまつわるある展開とか、いるいらない好き嫌い賛否かなりあるみたいだけど、まぁ、好きだよね笑 シーツに目の穴だけってあのビジュアルなのにゴーストってタイトルにあるだけでホラーと括られてんのはかなりの違和感。こんなヒューマンなのに。いや、元ヒューマンではあるけども。 俺も死んだ人はあんな風にこの辺にいるんだろうな。俺らの生活めっちゃ見てんだろうな。と子供ん時から考えてたタイプだったからあの設定はすんなり入れました。で、人にではなくて家や土地に憑くってのも昔なんかの怪談の本とかで読んでたからそれもスッと入って来ました。だからどっちかっていうと日本の幽霊な感じだったんだよな。そこも良かったのかな。 A24、映像プロダクションとして最近外さないよな〜って感じて色々調べたら、実は昔から俺の中のオールタイムベスト級に好きなやつもいっぱいやってたんだな(大好きなハーモニー・コリンの『スプリング・ブレイカーズ』とか、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督でジェイク・ギレンホール主演の『複製された男』(オチが好きすぎてラストだけ繰り返し見た記憶笑)とか、マジで人生ベスト10にギリ入るぐらい好きなジョナサン・グレイザー監督、スカーレット・ヨハンソン主演の『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』とか。去年入れた『フロリダ・プロジェクト』もそうなんだね〜) というわけで映画好きに言ったら「何を今さら」と鼻で笑われると思うんで、映画白帯たちにオススメしときます。A24映画を見るべし!最近のだと『ホット・サマー・ナイツ』も良かった! 8位『フリーソロ』 "その名に違わぬフリーかつソロ!笑 安いサスペンスのくせに「手に汗握る」ってコピーつけてる全映画、この映画に速攻謝れ!手に汗どころかラスト20分は全身に汗、悪寒、変な震え、しびれすらも!笑 静かなる男の静かなる狂気に失禁せよ!" 「この競技、法律上禁止じゃねーんだ!」ってことにまず驚きますよね。ボルダリングすらやったことない上に、ロッククライミングってロープありきだと思い込んでたし、ロープなしで登ることをフリーソロと呼ぶってことも全く知らなかった俺からしたら、しょっぱなから「ヤベーーー!!!」って鼻血出そうでした。だってどう考えてもリスクしかないじゃないですか?それがどんだけ凄いことなんだと説得されても家族や友達が「明日やります」って言いだしたら全力で止めますよね、こんなもん。何もない岩肌975メートルをロープなしで登るんですよ?頭おかしいでしょ!笑 (ちなみに東京スカイツリーは634メートル笑) これに挑むアレックス・オノルドにはサンニって恋人がいてこの人が本当に良き理解者として寄り添ってくれてるんですけど、アレックスは何を言われてもやめないだろうなってのがもう画面を通してでも伝わってくるんですね。頑固とかの次元じゃなくてこれを成し遂げるために生きてきたみたいな人だから笑 数多あるドキュメント作品でこれに挑む直前の数分とその全貌を映した約20分は極限でしょうね、映像として。これを超えるものはほとんどないんじゃないかなぁ。緊張感って次元じゃないし、久しぶりに映画で背もたれにもたれていられなくて体制を何度も立て直し、そわそわしっぱなしでした笑 マジで見てらんないんですよ笑 撮影クルーの一人が途中でもう一人のクルーに言い放つ「よく観てられるな」は超同意笑 撮影陣ですら見てらんないものを見なきゃならない観客の気持ち笑 実際、周り見回したら何人か顔伏せてた&目を隠してました笑 こういう殆どの人にとって「超無駄なこと」がオノルドにとっては「超重要なこと」だったりする、つまりは何かを成し遂げるということは意味とか価値とかを超えて誰かを感動させることがあるということを素晴らしく美しい映像と壮大な音楽で伝えてくれる、「種類のわからない感動作」だと思います。自分の半径1m以内のことだけでウジウジ悩んでる暇はないと思わせてくれます。最近落ち込みがちな人は光明になりうる映画じゃないかなぁ 7位『メランコリック』 "冒頭の切れ味鋭いダークネスからどこいくねんと転がりだした混沌泥団子はファミリー&ラブストーリー&バディものの持つ多幸感をも巻き込んで超予想外の着地点へ!これが面白い映画!何度でも言う!これが面白い映画!" 深夜の銭湯が殺人&死体処理現場だったら…って発想が思いついた時点でほぼ勝ちですよね。もちろんその理由とそこに付随する人間関係がしょっぱかったら負けに転じる可能性はあり得ますけど、今回のこの映画はそのシチュエーションを「思いついた!やってみようぜ!」っていう異様に高いスタッフと演者達のテンションが伝わってくるからもう楽しいのなんの笑 映画とは熱伝導みたいなもんなんで作り手が面白いと信じ込んでやってるか、ただ上からやらされてるだけ的テンションなのか、すぐ伝わってきちゃうんですよね。そういう意味ではぐったりと疲れる映画でもあるんだけど、日本映画なめんなが今年一番ストレートに画面から溢れ出てくる大好きな一本でした。もちろんインディーズ臭もかなり強いんで、苦手な人は苦手だろうし、ちょっとダサいなとかちょっと今のはいらないなとかもわりとあるんですけど、見終わって「面白かった!」って手放しで思えたんでもういいんです、細かいことは笑 映画製作ユニットOne Goose(ワングース)、覚えときましょう! 6位『ブラック・クランズマン』 "どこから切り取ってもスパイク・リーそのもの!音楽、アートセンス、ユーモア、そして骨太な社会派として、どれも一級の完成度!「KKKに黒人刑事が潜入」ってこれも思いついた時点で勝ち的発想じゃん!…と思ったら実話っておい!笑" 『グリーンブック』も『デトロイト』も『US/アス』も好きなんですけど、やっぱりこのテーマでスパイク・リーには敵わないなーというのが結論です。(しかし『US/アス』のジョーダン・ピールも今作の製作陣の一人) 人種差別って今も地続きの問題だからこそ取り扱い方に厳重注意案件であることは昔から変わらずだけど、今回は眉間にシワを寄せて唸りながら観るものというよりは「こっちも黙っちゃいないぜ!」っていうヒップホップのバトル的手法で観た人を黙らせたった感というのかなぁ。それが痛快なんですよね。そこが黒人刑事がKKKに潜入っていう漫画的原作とピッタリ合ったんじゃないかという気がします。(実話だけど) 昔からPOPなルックなのに社会派なメッセージが内包されている映画に滅法弱いんですよね。これに関しては内包という表現は違うかもしれないけど、シリアスさ全面はキツイんですよね。いや、『デトロイト』もいいんだけどね。 欲を言えば実話だから代わりに白人が潜入っていうよりどうにかして本人が潜入して欲しかったとか色々言いたいことはあるけども笑 5位『ホテル・ムンバイ』 "これも実話!テロを起こす側の手の内も明かすことでテロの構造を巧みに詳らかにしながらその意図を知る由も無い人々が生きのびるために何をしたのか?今年桁違いに恐ろしい一本" 冒頭のテロを起こす若者達が船に乗ってやってくる所から既に不穏な空気。映画の内容を知ってるのは当然あるけどあそこの「この後確実に良からぬことが起きる空気」半端じゃない。その数分後に突然市民に向けられる銃弾。エンドロールが出るまでそこから約2時間我々観客も晒され、怯え、映画館の中を逃げ惑う事になる。 さっきラストまでシリアスじゃキツイと言ったばかりの口で言うのもなんですが、吐き気がするほど2時間超どんより&超シリアス。でも良いのです。だけど5位に入れるほどのインパクトなのにもう二度と見たくないという矛盾も孕んだ、まぁ、2019年絶対外せない一本ですね。 当然ショックシーンは多過ぎるし、トラウマ級の緊迫感で途中退場も充分考えられるけど、全国の高校とかでこの映画を強制的に見せるべきじゃ無いのかな。この2時間が自分の考え方の決定的な指針になるというのは若ければ若いほど十分考えられる。 それぐらいの強度。映画ではなく体験。 でももう一度言います。もう二度と観たくない!笑 4位『岬の兄妹』 "『パラサイト』のポン・ジュノの元助監督(日本人)片山慎三の初長編にして特大傑作は安アパートの裸電球が照らし出すおぞましいほどの生き地獄。まとわりついて這い上がれない貧困と障がいを抱えた兄妹の絶望の彼方に俺たちは何を見る?" 神の言葉だと言うならとっくに見捨てられているのだ、この二人は。 この二人がそれでも生きていくことを選択することにどんな意味があるのだろう? 妹の叫び声を聞きながらふとそんなことを考えた。 よく人は「落ちたら上がるだけ」だとか「絶望の果てには必ず良いことが待ってる」などと言う。 そんなの嘘だ。絶望の果てには絶望しかない。いつまでたっても這い上がれない地獄はあの世ではなく間違いなくこの世にあるのだ。 だからきっと神は辛かったらいつでも自分の存在を消せるようにと人に死ぬと言う選択肢を与えたのだ。 それでも岬の兄妹は死を選ばない。 主人公が死を選ばない映画、生きようとする映画は喜劇になり得る。 そう。この映画が優れているのは圧倒的な生き地獄の中でもがく二人を喜劇として描いてるところなのだ。 兄貴がクソまみれで立ち尽くし、妹が老人を弄ぶ時、我々は密かに、だが確かにほくそ笑んでいる。 予想だが天国は退屈だと思う。 地獄の方がたぶん面白そうだ。 この映画はこの世の地獄を味わえるから、ふるえるほどに面白い。 日本映画を代表する傑作喜劇の誕生だ。 和田光沙、とんでもない女優だ。 覚えておくといい。 ※これだけ語りのテイストを変えたのはなんとなくです 3位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 "俺と一緒でビデオ屋の映画オタクだったタランティーノが長過ぎる映画愛をこじらせ切ってたどり着いた世界一愛のこもった歴史改変に全映画ファン涙ちょちょぎれ! "最強のふたり"レオとブラピをど真ん中に据えた、コレが【タラと俺たちの望んだハリウッド黄金期】!!!" クエンティン・タランティーノの最新作。 そう口にするだけでワクワクしちゃうのは映画ファンなら条件反射とも呼べるわけだが、今回は期待値がフリーソロでオノルドが登った岩山以上に上がり切っていたのは事実。だってレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演かつダブル主演であの忌まわしきマンソンファミリーがシャロン・テートをナニしたハリウッド最大の事件(ググるかウィキペディアかお母さんに聞いてみよう)を描くってんだからさ!しかしだ!そんな不安は杞憂に終わった!タラちゃんごめん!つまんないわけないよね!ていうか161分もあるのに何でこんなにあっというまなん?いやマジで面白すぎるっしょ!…と、タランティーノをマブダチと思い込むほどにタメ口でまくし立てちゃう楽しさ!痛快さ!そしてラストシーンの優しさ!(涙) これこそタランティーノにしか描けない「あの時代のハリウッド映画」! 無条件に泣けるわなーあんなん。 タランティーノの映画ってその偏愛ゆえの色んな映画へのオマージュをサンプリングしてコラージュする「ヒップホップ的手法(©宇多丸)」で俺たちにあの時代の映画の空気を吸わせてくれるっていうのが唯一無二な訳だけど、しかしその後のトホホフォロワー(タランティーノカッコイイじゃん!俺にもできんじゃん!でやっちゃった人達)を沢山生み出してしまった功罪含めて「タランティーノ映画(オリジナル)はやっぱスゲー」と言えるわけなんですね。俺がタラ作品で一番好きな『デス・プルーフ』もグラインドハウス(ググるかウィキペディアかサブカルおじさんに聞いてみよう)の皮を被ってるけど、結局「いやいやこのレベルはタランティーノにしか撮れんやろ!」な最高×10000なラスト含めた大傑作なんですよね。その設定はお借りしました、パクりましたって顔してとんでもなくタランティーノ印になってるわけですよ、どれもこれも。当たり前だけどオマージュで終わらない度を超したオリジナリティーが前のめりに飛び出しちゃってるわけですよ、全タランティーノ映画。それを嫌いという人も一定数いるのは仕方ないとして、大好物な人からしたらタランティーノの最新作=生きる意味と言い切っていいはずなのです。 いや、それでも前のめりが過ぎてブルースリー描写に憤慨するブルースリーファンの気持ち、映画の中ではシャロンテートにまだ何もしてないのにあんなに残酷に殺すのはどうなんだ問題、わかりますよ、もちろん!でもそれこそがやりすぎタランティーノ笑 やるんだったら限界までやってやる=そこがいいんじゃない!なのです!だから嫌いな人もいるって話で…(永遠にループ) 2位『宮本から君へ』 "棺に入れて欲しいとブログに書いたほどの原作ファンの俺もねじ伏せられる熱量!池松、蒼井は化け物級の演技でその辺の軽くてしょうもない恋愛映画を跡形もなく灰にしてしまった!エレカシ宮本の大名曲に乗せた最っ高なエンドロールまで1秒たりとも目が離せない、どう足掻いても大傑作" まず、この作品に対する俺の熱量はこのブログをご覧ください。 10年前にこう書いたのは嘘じゃなくって、「宮本ならどうしたかな?」「宮本ならやっただろうな」とかマジで考えるぐらいの俺にとっての人生の聖書であり教科書な訳です。だからもちろん「宮本」をまずドラマ化と聞いた時はいくら主演が大好きな池松くんで主題歌が大好きなエレカシで監督が大好きな真利子哲也であっても、自分の大事な聖域に今更誰かが入ってきたような嫌な気持ちにはなったんですね、正直。だけどドラマの第一回で涙目どアップの池松くんがエレカシの「Easy Go」に乗せて公園で一人で鬱屈した何かを振り払うように暴れまくるオープニングで「宮本から君へ」とタイトルが出た時にブワッと鳥肌が立って、そこからは池松くんが宮本浩にしか見えなくなりました。本当に曲も含めてここ十年で最高のタイトルバックですよ、あれは。 その後、ドラマは毎回本当に最高で、youngasでもたまに会うたびに「宮本最高だよなぁ」と興奮気味に言い合うぐらいにハマりはしたんですけど、「宮本」の「肝」とも言えるある「問題のシーン」がまったく描かれないままドラマは終わってしまったんですね。もちろん、そこはいくら深夜ドラマでも無理だろうなというのはあったし、ドラマ編の終わり方も「宮本」という漫画の本質は描けていて個人的には嫌いじゃなかったし(ファンからは「そこで終わるんかい」とか「地味なエンディング」とか色々書かれてたっぽいけど)、「あのシーン」に関してはなかったことでもいいのかなという自分内での決着はつけたんですね、無理矢理に。最終的にはこのブログを読んでくれてる人たち全員に長いけど原作を読んでもらいたいんでざっくりとだけ言うと、新米営業マンとして奮闘する「熱血サラリーマン篇」の前半と、中野靖子という運命の女性と出会い「真の愛」をもがきながらも掴もうとする「ヒューマンラブストーリー篇」の後半に分かれるんですね、この漫画。で、その熱血が「対取引先」だったり「対企業」だったりする前半よりも、「対人間」に向かう後半こそがこの漫画の見せ場な訳なので、そこを描かなければ「宮本」とは言えないわけなのです。しかし「問題のシーン」はこの「宮本」という漫画にとって絶対に通らなければいけない場面なのだけど、そのシーンがあることで一部の人たちから一生読みたくないと非難されているのも事実。漫画表現としても相当にどぎつかったアレを映画でどこまでやるんだろう?しかも原作の後半は前半と同じくらいの長さなので、それを2時間でまとめられんのか?という不安も。正直ドキドキしながら劇場に向かいました。 いやー、それが2時間の中に後半の必要な要素がギュウギュウに詰まっていて、宮本と靖子がそこにいたんですよ。俺が漫画で何度も救われたあの二人がスクリーンにいたんです。そして「あのシーン」ですよ。やっぱり超どぎつかったけど蒼井優も真利子監督も一歩たりとも逃げてなかった。なんとなくでお茶を濁すどころか真正面から「あのシーン」をやってました。その後の宮本も本当に宮本で、池松くんなんだけど完全に原作の宮本でした(あの炊飯器から直でご飯かき込むとこたるや!) ラストカットの池松くんの表情からの宮本浩次の「Do you remember?」が流れ出す一瞬で涙腺が崩壊。2019年唯一劇場で泣いた映画です。 昨今、この映画のような熱っぽさは暑苦しさと変換されがちで、どうも映画も音楽もクールさが好まれるようになってきたように感じます。 できたらどうかドラマ版、映画版、そして最後に新井英樹の原作を読んでこの「人生に必要な暑苦しい時間」を体験してください。 そしていつか「『宮本から君へ』を暑苦しく語る会」を立石あたりの寂れた居酒屋で夜通しやりませんか?笑 1位『ジョーカー』 ”2019年を象徴する1本にして自己オールタイムベストに不気味な笑いと怪しいダンスをしながら入り込んできたのはマザコンピエロの闇落ち話!わかりやすくスコセッシ×デニーロ『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』をなぞりながら、精神疾患と貧困と暴力の果てに描かれるあのダークヒーローの誕生!嫌いになる隙1mmたりともなし!” 2015年の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』以来の「でしょうね!」(©千原ジュニア)案件でさーね笑 もうこの映画に関しては語りつくされてる感もあるんで、もうあんまり言うこともないんですけどね。 でもどうしてこんなに自分が好きなのかと言われたらまず世間的に弱者とされてる人が悪に手を染めてどんどん堕ちてゆく話が超好きなのと、先述したスコセッシ×デニーロ臭がプンプンしたのと(まぁデニーロは出演してるけど)、あとは言わずもがなホアキン・フェニックスが大好物ということだと思います。その好き要素がキュッとスーパー好みなバランスで入ってたんですね。だからアメコミが異例のアカデミー候補だとかバットマンの敵誕生譚としては矛盾があるだとかその辺は正直どうでもいい笑 「大人が眉をひそめる不謹慎な描写」がたくさんある映画こそが好きなモノとしては貧困問題とかテロとかそういう今の実情とあまりにもリンクしすぎてることでそういう則面からの見解を無視はできない作りでもあるので社会派作品としてヒットしてるなら見なきゃと見に行った暴力映画に耐性の無い良識派に対する強烈なFUCKが映画界のジョーカー的なこの作品の役目なのかもなーとか。要するに「ざまみろ!」ってこと。(完全にアーサー目線)そういう爽快感には満ちてたよね、ラスト含め。 「犯罪者がいかにして生まれるのか」を描きながら「犯罪者を生んでるのはお前なんだぜ」と最終的に突きつけてくる感じもいいよなぁ ホアキンに頼りすぎ問題に関してはその通りだけど、ずっと映画界の徒花だったホアキン本人の映画への報復として観ても最高だったんじゃないでしょうか?『容疑者ホアキンフェニックス』最高なんで見てください笑 というわけで、2019年の結果は以下の通り。 1位:『ジョーカー』 2位:『宮本から君へ』 3位:『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 4位:『岬の兄妹』 5位:『ホテル・ムンバイ』 6位:『ブラック・クランズマン』 7位:『メランコリック』 8位:『フリーソロ』 9位:『ア・ゴースト・ストーリー』 10位:『愛がなんだ』 後編とワーストは気が向いたら書きます笑 というわけで2020年もお達者で!! youngas shinoda aka VHS BOYA®
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by youngas
| 2020-02-10 02:00
| 俺アワード
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